山間壮快ツーリング
自然美豊かな山岳ルートを行く
2009.6.14走行
大型バイク3台で
今回のツーリングもまたETCの休日特別割引と早朝夜間割引の両方を活用するべく、待ち合わせは中央高速道路の談合坂SAに6:20となった。目的の道は長野県諏訪から静岡県浜松を結ぶ国道152号線、南アルプスを望みながら山間部を走り抜ける壮快ルートだ。
今回一緒に走る仲間はカメさん(HN)とIさんの2人。カメさんはFJR1300、IさんはCB1300SBと2人共大型バイクだ。
私は珍しく子供達全員に用事が有って1人でR1200RTに乗って出発する。
この日も談合坂SAはバイクが多く集まり混雑気味。多くのライダーがグループで集まり賑わっていた。
関東地方の天気は予報では夕方から雨。そのせいか中央高速道路は混雑も無く快走出来た。
走る順番はいつもの様に私が先頭を走り無線機を装着しているカメさんがしんがりを勤めた。
以前なら早朝夜間割引のため一旦わざわざ勝沼ICで下りていたが、休日特別割引のおかげでそのまま諏訪ICまで走り続けるようになったのは嬉しい限りだ。大幅な時間短縮も図れる。
関東地方以外では天気が良いとの予報の通り、笹子トンネルを抜けると晴れ間が見え始め気分的にも一層明るくなる。そのせいか途中で休憩のため立ち寄った八ヶ岳PAは今まで少しは遠いと思っていたのだが近いようにも感じられた。これは最近長距離が多くなったせいかも知れないが、ここまであっと言う間に来てしまった気がする。
この感覚はGWに一緒に青森県の大間にキャンプツーリングに行ったカメさんも同じ様に感じていたらしい。
カメさんいわくGW大間までの超長距離&大渋滞を経験したら、多少辛いことや大変なことに遭遇したとしてもほとんど軽く思えてしまえるようになったとの事。(^^;) GW後半カメさんが走行した往復3,000kmの九州ツーリングより、大間の方がず~っと辛く感じたそうだ。(爆)
ちなみに左の写真はカメさんの走行中の写真。こうして見るとバイクのカラーリングとヘルメットのデザインがマッチしていますねぇ。(^^)
国道152号線で間一髪!
右の写真は中央高速道路走行中であともう少しで諏訪ICに到着するところ。左前方に写っている山はこれから走る国道152号線が通っている山だ。
諏訪ICで下りたら国道152号線に入る前にガソリンスタンドに立ち寄るつもりだった。しかし、ガソリンスタンドが見当たらずそのまま国道152号線へと突入する。
国道152号線は最初勾配のきついワインディングロードとなるのだが、その直前には追い越し可能な直線部分がある。
前を走る年式の古い車の排気ガスが臭いので、抜かそうか抜かすまいか迷っていると急に前の車がブレーキを掛けた。
普段ならここで迷わず抜かすのだが何となく様子がおかしい。どうやら慌ててシートベルトを装着しようとしている。ふとその横を見ると青い制服姿の人が道の横に座っているのが見えた。「あっ!取り締まりだ!」 抜かなくて良かったぁ~と直ぐに思った。危機一髪だった。(汗)
道の駅でゆっくりする
いつもなら快走出来る高遠市街までの道のりは前を走る低速車両と古い車の排気ガスで、残念ながら快適な走行とは言えない状況が続いた。
途中前の車列を抜かそうと思えば抜かせるタイミングや場所も多々有ったのだが、この道も取り締まりの多い場所。無理はしないでのんびり走った。国道361号線との接続場所までは我慢の運転が続いた。
高遠市街を過ぎるとやっと古い車が居なくなり、少し走ると右手に美和ダムが見えた。そして直ぐに最初の目的地である道の駅「南アルプスむら長谷」に到着した。(9:00頃)
集合場所となった談合坂SAでも焼きたてのパンを食べたのだが、この道の駅でもツーリングマップルでは「焼きたてパンが人気」となっていた。案の定館内に入るとパンの美味しそうな匂いが感じられた。その匂いに引き寄せられる様に館内の奥へ奥へと進むと目的のパン屋さんがあった。(左下写真)
まだ十分にはパンが出揃っていないか売りきれてしまったような感じではあったが、それでも美味しそうなパンを見つけられた。地元の人が多く買い求めに来ていたりと意外とレジに並ぶお客さんが絶えない感じだった。(左上の写真は空いている時に撮影したもの)
購入したパンは道の駅にあるベンチでゆっくり食べられる。我々もせっかく天気が良くて外の方が気持ち良さそうなので、飲み物を購入してから3人でベンチに座ってゆっくり食べる事にした。
これは私が買ったものの1つ。パンと言うよりはケーキ(レモンティーケーキ)だ。
私は他にもメロンパンを食べたが、どちらも柔らかい食感で美味しく頂いた。
そそ、このベンチで食べるのはとても気持ちが良かったのだが、利用の際は注意が必要だ。なぜなら私の大嫌いな毛虫が一匹上の木から落ちてきたからだ。(爆)
それもここが自然豊かな場所である証明みたいなものだから仕方が無いが・・・。(^^;)
快走ルートと自然美
右の写真は我々3台のバイクとIさんが写っている写真だ。この後9:45頃に道の駅から出発した。
さて、のっけから食べてばかりだったがここからが走りの本番。本日のメインルートとなる南へと向かう魅力的な縦断ルートだ。
ここからしばらくは道幅も広く視界も広けた快走ルートを走ることになる。川沿いの道でダムへと注ぐ川幅は広いがここはフォッサマグナ沿いの道だそうだ。
我々の他に車の姿もほとんど無く、スピードを上げずとも気持ちの良い走りを楽しめる。
この下の写真、気持ち良さそうでしょう!(^^) この区間は広い川を左手に見ながら走る。
分杭峠
分杭峠へと近づくと道は狭くなりワインディングの続く道となる。私のR1200RTはタイヤ交換後初のツーリングとなりタイヤの慣らしを兼ねて走る。そこそこのワインディングロードが新しいタイヤの皮むきに丁度良い。
それにいつもはタンデムが多いが今回は1人。それゆえコーナーリング中の軽快感が感じられすこぶる楽しい。
そんな感じで楽しみながら走っていると私はコーナーに差し掛かる道でブレーキを掛け停車した。目の前の道の真ん中に鹿が立ち尽くしていたのだ。
鹿の手前で停まったが鹿はバイクのライトの光に気を取られていたらしくしばらく呆然としていた。写真を撮ろうとカメラを向けようとした時ハッと気が付いたらしく逃げられた。
写真を撮れずに残念だったが発進しだすと鹿は盛り上がった土の上から首だけ出してこちらを伺っていたのが見えた。
そして分杭峠に到着する。(10:06) ここはゼロ磁場のパワースポットとして知られる場所。今回は単に通り過ぎてしまったが次回訪れた際はゆっくり試してみたいと思う。
しらびそ高原へ
その後ちょっと国道152号線からそれて「しらびそ高原」に立ち寄った。
しらびそ峠への道ではこのルートでは珍しくグループ走行中のライダー達や車とすれ違う。
しばらく走りしらびそ峠を過ぎると想像もしていなかった立派な建物が見えだしビックリした。これが「ハイランドしらびそホテル」だ。(右写真)
今まで走ってきた道がハードだったのと市街地からの距離を考えると、まさかこんな山奥でこんなリゾート風の建物が?と驚いたのは私だけではない。カメさんもIさんも同じように驚いていた。(11:10)
この駐車場には結構大勢のライダー達が訪れていた。ナンバーを見ると「尾張小牧」や「名古屋」ナンバーが多い。多分国道152号線をツーリングルートとすると皆ここに立ち寄るのだろうと思った。
本来ならこのしらびそ高原の場所から南アルプスの山並みが見える素晴らしい眺望を味わえる筈だったが、生憎の曇り空で残念な結果に。それにしばらく経つと雨粒がポツポツと落ちてきた。この雨はほんの通り雨で濡れる事は無かったが、取りあえず休憩を兼ねてホテル施設に避難した。
ホテル施設内に入るとまずは清潔感のある広々とした休憩スペースが印象的だった。
空いていたテーブルに脱いだジャケットを置きくつろぐことにする。すると他のライダーが食べていた五平餅の良い香りに気が付き食欲をそそられた。
休憩する度に食べてばかりだが、ここでも他のライダーが食べているのを見て迷わず私も五平餅の食券を買い注文する。
しばらくして私の注文した五平餅が出来上がったとのことでカウンターで受け取ると、思っていたより大きくて量が多いことに驚いた。ご飯2杯分に近い量だ。
その五平餅がこれだ。(右写真)
甘いお味噌が絶妙でとても美味しい。また来た時も絶対に食べようと思ったほどだ。
カメさんもこの五平餅を食べ満足したらしく、この五平餅に刺さっていた大きな串を墓標にするとか冗談を言いながら持ち帰ったほど気に入ったらしい。(^^)
下の写真はコーヒー(400円)に付いていたマグカップだ。このマグカップはお持ち帰りOKでお土産となる。
この何とも言えないマグカップのデザインは、このツーレポを見て頂いている方の意見の分かれるところだろうが、良く見ると忘れられない強烈な絵のためネタにもなると勿論持ち帰ったのは言うまでもない。ちなみにこのカップは娘(ひかり)が使う事となった。
下栗の里で強烈な風景を楽しむ
しらびそ高原を出発し国道152号線を目指す。落石が多くタイトなコーナーも有るが相変わらず気持ちが良い走りを楽しめる。
私はIさんとカメさんが走ってくる姿の写真を撮ろうとちょっと先に行き、撮った写真が右の写真だ。
そしてこの後圧巻の風景を見る事となった。下栗の里である。
下栗の里は急斜面に民家が点在する場所であり、その風景はまるで日本のチロル!とツーリングマップル通りに言いたいところだが、私はチロルに行った事も見たことも無いのでチロルって言うイメージが湧かない。
私がここを見て思った事はまるで家が山小屋か千枚田の様に建っている・・・だった。
この様な場所は奥秩父でも見たことが有るがそれよりもずっと高低差が有り危険すら感じる斜面に圧倒された。
左の写真は途中で停車して撮った写真だがちょっと失敗。(^^;) 本当はもう少し下が見える場所で撮りたかったのだが、こんな写真しか写っていなかったのだ。
それでも屋根の向こうに見える山の距離を考えると相当標高が高くて険しい場所である事は伝わると思う。
国道未開通部分を走る
下栗の里を越えるとガソリンスタンドに立ち寄った。私のRTだけはまだ余裕が有ったので給油をしなかったが、カメさんとIさんはやっと見つけたこのガソリンスタンドで給油する。(12:43)
この時Iさんの話では山の方から雷鳴が聞こえたそうだ。ガソリンスタンドの店員さんがこれから雨が降るかもしれないと教えてくれたそうだ。
確かに怪しげな雲が増えてきた様な気がする。少し心配になるが降ったら降ったで仕方が無いとも思っていた。
給油が終わるといよいよ最後の林道に突入する事となる。
と言うのも実は国道152号線は全線が開通していない。全線舗装道路だが林道を走らなければ先へは進めない国道寸断道路なのだ。
これはトンネル工事中あまりにも地盤が弱く崩落の激しさで、日本のトンネル技術が敗退した場所だとの事だ。兵越峠と言う長野県と静岡県の境を走る事となる。
兵越峠を越え下り坂に差し掛かるとバイクが道の真ん中で転倒していたのを発見し停車する。(13:10)
本人に怪我は無いものの、斜度が有ったので起こす事が出来ずに呆然としていたようだ。
直ぐにバイクから降り倒れていたバイクを起こすのを手伝う。どうやらこのライダーの話によると道を間違えたのかと思い、斜度の有る坂でUターンしようかと思っていたところ濡れている路面のせいで立ちゴケしてしまったらしい。
バイクはCB400BDだったが幸いにもブレーキレバー(クラッチ?)が少し曲がった程度でダメージは少なかったようだ。
我々が今来た道を進むとの事でバイクの向きを変えるのをお手伝いし、その後雑談した後別れた。
そして走り出すとここで少しだけ濡れる感じの雨と遭遇する。無線でカメさんにレインスーツを着るかどうしようかと相談しているうちに前方の空に少しだけ青空も見えるのでそのまま進む事にした。
路面はつい先ほどまでまとまった雨が降っていたかのように濡れていたが、雨は既に止んでおり少しだけ停車して写真を撮った後そのまま先へと進む事にした。ここまで来れば国道152号線(秋葉街道)もかなり終盤となり最後のクライマックスを迎える事となる。浜松まではあともう少しだ!と思ったのだが、意外とここからも距離が有ったような気がする。(^^;)
国道152号線はいつしか天竜川沿いを走る事となる。急に単調なコースとなりそろそろ休憩をしたいと思っていると道の駅「天竜相津花桃の里」まで4.5kmの案内を見つけた。
道の駅「天竜相津花桃の里」には14:10頃に到着する。考えてみれば2時間半近く走りっぱなしだった。さすがに終盤は少しだけ睡魔にも襲われていた。この「天竜相津花桃の里」はこじんまりとした広さの道の駅だが施設面ではそこそこ充実していた。
ここで食事をする事となり私は天ぷら蕎麦を食べた。味と値段はまぁまぁと言うところか。それと食後のデザートとして人気の有りそうな「花桃ソフトクリーム」を食べた。このソフトクリームの味は桃味ではなく苺味。ソフトクリームの色が花桃のイメージと言う事らしい。ちなみにこのソフトクリームは美味しかったが溶けやすいので注意が必要だ。
食事後、15時位にこの道の駅を出発する。
ところで私のRTだけがここまで給油をせずに走り続けていたが、そろそろ給油しないと心配な状態に近づいてきた。市街地区域に入っても相変わらずENEOSばかりが休業日でガソリンスタンドに立ち寄れない状況が続いていた。少しばかり焦ってくる。こうなると意地でもカード割引の利くENEOSに立ち寄るか?それとも妥協して他のブランドのガソリンスタンドに立ち寄るか?それが私にとって問題だった。
そろそろなりふりかまっていられなくなりそうなほど浜松ICまでの距離が近づくが、やっと営業しているENEOSを発見、無事RTも給油が完了しホッとした。まぁ、割引が有ると言っても大した金額ではないのだが・・・。(^^;)
最後の最後に雨に降られたが・・・
東名高速道路には浜松ICから入った。ここからしばらくの区間は渋滞が発生してなかったのでマイペースで走行する。
次第に道路は交通量が増えてきて詰まり気味の走行となる。低速走行で追い越し車線を走り続ける車が原因の場合が多い。そしてとうとう御殿場IC付近で渋滞が発生した。
最終的には35kmの渋滞に巻き込まれるが、切り込み隊長のカメさんの先導により比較的順調に進んだ。
海老名SAに到着すると雨が降りだしを心配して私とカメさんはそのまま直ぐに自宅へと向かい、Iさんとはここで解散となった。
結局最後の最後で雨に降られたが、レインスーツも着る事無くそんなに雨に濡れる事もなく帰ることが出来た。今回のツーリングルートは景色も良く結構走り応えも有り、なかなか楽しめたルートだったと思う。今度行く時はもう少し帰りが遅くなって良いかもしれない。