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急坂の凍結路転倒で四苦八苦

雪道走行挫折(ソロ)ツーリング

2010.2.14(日) 走行

目的地は雪見温泉

 週末土日の2日間はツーリングには行かず、娘(あかり・小6)のサッカーの試合を観戦する予定だった。今年から娘もいよいよ中学生となるため、小学生の最後のサッカー試合となり試合中の写真を撮る予定だった。 しかし、週末は東京でも珍しく雪が降ってしまい、土曜日予定していた試合は直前に中止となり、結局日曜日の試合も早々に中止が決まってしまった。

 仕方なく土曜日は一日中のんびりテレビを見て過ごした。するとテレビ番組で雪景色を眺めながら温泉に気持ち良く浸かるシーンが放映されていた。そんな光景を見て、ふと雪景色を眺めながら温泉に入れる所に行ってみようと思い立ったのだ。

 雪景色を見ながらとなると、ある程度は雪道も走る事を想定しなければならない。バイクで雪道なんてとんでもないとは思っていたが、道の轍に雪が積もってなければ何とか大丈夫だろうと考えた。それにバイクはオフ車のスーパーシェルパ。北海道でもスーパーカブが走っているのだから・・・と安易に考え・・・(^^;)

国道20号線

 日曜日は珍しく10時過ぎまで寝てしまい自宅を11時過ぎと遅い時間に出発した。目指す温泉は取りあえず山梨県方面の温泉。走行ルートは高速道路を利用せず多摩川沿いを八王子方面へと走り、日野バイパスを経由し国道20号線を西へと走る。

国道20号線(日野バイパス)

 都内の一般道は特に渋滞もなく気持ち良く走ることが出来た。天気は良く日差しは強いが気温は低くとても寒い。八王子から高尾山前を通り過ぎると青空は一転して曇りとなり、景色は一気に雪景色に変わった。冬らしい景色で体感温度も一気に下がり、まるで冷凍庫の中に居るようである。

国道20号線 高尾付近

 但し、この大垂水峠は道の両脇こそ雪景色ではあるが、道路上には雪が無く走行には支障はなかった。

大垂水峠

 相模湖駅前を通過し上野原から小菅村を目指して進路を変更。ここからいよいよ本格的な山間部を走行することになる。道路は国道20号線から県道33号線へと変わり、市街地を抜けると前を走る車の姿は消えた。そして間もなく「この先全線路面凍結通行注意」との電光表示板があった。

県道

 積雪注意!とかでは無いので大丈夫かも?と何とか小菅村までは行けそうな気がする。

県道

 小菅村への標識を発見。ここから県道18号線に入り更に山深い景色となる。進むにつれ周りの山の景色は完全な雪景色に変わっていくのだが、道には雪がない状態が続く。

雪景色

 ところが・・・本格的な峠道に差し掛かると道に雪が積もっている箇所が所々に見られ出した。初めは轍に雪がないので支障はなかったが、鶴峠の最上部に近づくと事態は急変、かなりヤバいことに・・・(^^;)

本格的な雪道に・・・

 突然遭遇してしまった凍結路にスピードを落とし、両足を広げ路面にすり足をするかの様に慎重に下り坂を下るが、とうとう急勾配の下り坂カーブで前輪後輪ともにずるずると滑り出して止まらなくなった。(爆) 結局ブレーキの利かないまま数メートル進み道の真ん中で転倒してしまった。幸いにも転倒自体はバイクにも身体にもダメージは無かったのだが、実はここから大変な目に遭う事となる。

 普段なら、軽量なスーパーシェルパ(250cc)なら軽々とバイクを引き起こせるのだが、支点となるタイヤが滑るだけでなく、私自身立っているのもやっとの路面状態に四苦八苦する。 5分・・・10分・・・15分と奮闘を続けたものの時間だけが経過し半ば途方に暮れる。 そこにやっと車が通り掛かり、ご親切に降りてきてくれてバイクの引き起こしを手伝ってくれた。(感謝!)

 2人がかりでやっとの事でバイクを引き起こした丁度その時、偶然にも移動中の救急車が通りかかり、「大丈夫ですか?怪我は有りませんか?」と声を掛けられた。何と言うベストなタイミングだろう。通常この辺りだと救急車を呼んだとしても1時間は待つ場所なのだが・・・。(^^;) ま、今回は必要無かったのも幸いだった。

 「えぇ、大丈夫です。どこも怪我してません。」とお礼を言うと、バイクの引き起こしを手伝ってくれた方の車と救急車は立ち去って行った。

 で、これからどうするか?落ち着いて考えた。もう目的地である小菅村の温泉は直ぐ近くである。だが、目の前には雪道が続いているのである。・・・諦めよう・・・。当然の判断である。

 さて、ここからが問題だった。Uターンするにもまた転倒するかも知れない。転倒したら1人では到底引き起こせられないだろう。でも、長い時間を費やし慎重に方向転換し何とかUターン出来た。しかし、今度は一転上り坂。スロットルを微妙に調整しながらクラッチをつなぎ前進しようと努力するが、スリップしてまったく前に進まない。それどころかブレーキも効かず後ろに下がっていくのだ。

 バイクには跨っていたがブレーキレバーから手を離そうとしたり、身体の重心を変化させようとするとスリップしだすためバイクから降車することも出来ない。 もがきながら脱出を図ろうとはしたが、また5分・・・10分・・・15分と時間だけが過ぎ去っていった。

 さすがに長時間が経過し、身体は冷えきりクラッチを握る左手は痛くなり、バイクを支える肩や腕も疲労がたまりクタクタに疲れきってしまった。対向車は数台通過したのだが、助けてもらおうと思うものの減速もせず、冷ややかな視線を浴びせるだけで通り過ぎて行ってしまう。

 そりゃそうだ。こんな道にどうしてバイクなんかで・・・ 自業自得と私も逆の立場なら思っただろう・・・ (ーー;) この時ばかりは本当に後悔していた。結局このたった前後100m弱の区間で、転倒してからUターン→脱出まで1時間以上の時間を費やしてしまった。

 ちなみに下の写真はまだ上り坂で四苦八苦している真っ最中に撮った写真である。私の苦悩の表情だけでなく、後ろの路上に雪に滑りながらも一生懸命前に進めた懸命の努力の証であるタイヤ痕が写っているのが判る。 急勾配でなければこんなに苦労しなかったのだが・・・。(TT)

本当に・・・参った・・・(--;)

 無事帰って来れた今だからエピソードとして笑って済ませるられるが、この時ばかりはしゃれにもならないと心底思っていた時に撮った写真だ。と言いながら写真を撮っている自分がいる。(笑) ちなみに・・・この場所では携帯電話の電波が届かずJAFも呼べない。若干低体温症になりながらも無事帰ってこられたのは運が良かったと思う。

 こうして私の雪を見ながら温泉入浴と言う無謀な計画は挫折した。せめて・・・と言うことで、往きに見かけたお蕎麦屋さんに立ち寄り温かい「花そば」(680円)を食べ、ストーブにあたって身体を暖めた。冷え切った身体が一気に生気を取り戻したかのような感じだった。

お蕎麦

花そば

 帰り道、最後にせめて自宅のお風呂でゆず湯に入ろうと、1袋100円のゆずを買って帰ったのだった。この日、ゆず湯でゆっくりお風呂に入ったのは言うまでもない。

ゆず

 おわり

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