スーパーシェルパで行く紅葉の大弛峠

川上牧丘林道(長野県側)と青梅街道(大菩薩ライン) 2006.10. 8 走行

不覚、夏装備で出発

 関東に大雨を降らせた低気圧や台風も過ぎ去り、東京はカラッとした好天に恵まれた。せっかくの3連休、娘を乗せてタンデムツーリングに出掛ける事にした。今回の順番は次女のひかりである。希望を聞くとガタガタ道に行きたいと言うので、以前悪天候の為走破出来なかった川上牧丘林道の長野県側のダート(8.9km)を走破しようと決意した。起床は朝5:40。朝から結構涼しかったが、暑がりの私にはそんなに気にする事無く、メッシュのパンツにメッシュのウェアとまだまだ夏装備全快の服装で出発した。今回の相棒は勿論スーパーシェルパ。今回は山の上で熱いコーヒーでも飲もうと、コンパクトバーナーや水筒、シェラカップやケトル、そして折り畳みイスまでもを小さいGIVIボックスに詰め込んでの出発となった。

 今回は時間的に余裕を持とうと思い、最初から迷う事無く調布ICから中央自動車道を利用する予定だった。何時ものルートを通り、国道20号線までは順調に進んだが早くも交通量の多さを実感させる渋滞が始まった。調布ICから高速に乗ると、直ぐに渋滞が発生、それも大渋滞である。
 こういう時はバイクの有り難味を痛感する時でも有る。追い越し車線と走行車線の間を通り抜け、渋滞もなんのその!って言う位快適な走行を大胆かつ慎重に行う。バイクの数も非常に多く、同じ様に走るバイクが前も後ろも居て列を作って走行していた。

 八王子の料金所などは予想通りの大混雑であった。渋滞で前に進めない自動車を横目にバイクだけが快調に進んで行く。そのまましばらく高速道路を走り続けたが、もうここまで来たら降りても良いだろうと思い、相模湖東ICで高速を降りその先は国道20号線を走る事にした。高速道路代の節約である。

 国道20号線は思っていたよりも空いていた。娘が少しお腹が空いたとの事で相模湖付近のコンビニに立ち寄りここで軽く食事をとる事にした。(7:45) コンビニの駐車場ではパトカーが停まっており、どうやらバイクと車の軽い接触事故があった様だ。特に怪我人も無く警察官が調書だけを作成している様子。今日は連休だしペーパードライバーも多そうなので事故も多いだろうなぁと思っていた矢先、また別の車同士が接触事故を起こしたらしく、2台のワンボックスカーがコンビニの駐車場に入ってきて、やっとバイクと車の事故処理が終わった警察官は続けて次の事故調査で大忙しだった。

 私と娘はおにぎりを1つずつと、温かいホットレモンを飲んで再出発した。国道20号線はその後も順調で、大月を通過し勝沼に差し掛かり、国道411号線を塩山方面に進んだ。

ぶどう一皿300円を見つけて

 

 塩山方面に走行中、目に付くのはぶどう畑である。今年の夏は結構ぶどうを食べたのでそれ程食べようと言う気にはならなかったが、娘と会話をしながら走っていると「ぶどう一皿300円」の看板が目に留まった。300円だったら食べてみようかなと気が変わり、立ち寄ることにした。

ぶどうは巨峰だけではなく数種類のぶどうが有ったが、娘の希望で巨峰を食べる事にした。売場の横にバイクを停め、持ってきた折り畳み椅子を出し道端で食べた。車の通りも少なく天気も良かったのでこんな場所でも気持が良い。(9:05)

 食べている横で農園のおばさんがぶどうを摘んでいる姿を見ながら食べる感じで、娘もその姿を興味深げに見ていた。

300円のぶどうは若干熟し過ぎの感はあったが、とても甘く美味しかった。まぁ300円ならOKかな?と言う感じ。2人で1房をたいらげ次は林道へと出発した。

焼山林道は通行止め

 塩山市街を通り国道140号線を北上、トンネル手前のガソリンスタンドで給油(9:54)し県道206号線に入った。この道は前回も利用した「焼山林道」への道であったが、焼山林道の入口まで来ると無情にもゲートが閉まっていた。どうもここ最近の大雨で土砂災害があって災害復旧工事中らしい。仕方なく引き返すと行きでは気が付かなかった通行止めの案内看板が強風の影響で倒れているのを確認出来た。かなりのタイムロスになってしまった。(^^;)

 一度国道140号線に戻り1つトンネルを抜け、県道210号線「杣口塩山線」に入った。ここからまた永遠と続く昇り坂だ。途中ブラインドコーナーでもやたらと対向車線に大幅にはみ出すマナーの悪いベンツを抜かし川上牧丘林道に入る。この道に入るとバイクの姿を良く見かけるようになった。オフ車だけでなくスーパースポーツも多い。 前を走る車は皆親切で、道を譲ってくれるのでストレス無く順調に進む。山頂付近は紅葉が進み、所々美しい木々が見える。 しかし、標高が上がれば上がるほどだんだん寒くなってきた。

大弛峠は紅葉と寒さと大混雑

 途中娘が手が寒いと言い出した。考えてみれば今回娘が使っていたグローブはメッシュの夏用だった。私と娘はタンデム用ベルトでしっかり固定していたので、私のお尻と娘の間に手を入れて手を温めながら何とか進んだ。 峠付近の気温は吐く息が白く見えるほどの寒さだった。陽も雲の影響で山頂だけは曇りがち。さすがの私も正直寒いと夏装備の服装で来てしまったのを後悔する。

やっと大弛峠に到着すると非常に多くの車が駐車していた。駐車場に停められなかった車が片側車線を塞ぐ形で駐車され、その長さは300m以上に及んでいた。これで車同士対向車が来たら・・・・車なら避けようも無い程の無法地帯と化していた。(^^;)

 そんな大混雑の峠でも、バイクならトイレ前にも一時的にバイクを停める事が出来トイレを済ました。峠は風も強く紅葉した木々も大きく揺れていた。寒いので直ぐに長野県側のダート走行に向かう。長野県側はバイクならオフ車でなければ絶対に走行不可能と言いきれる荒れた道となる。 いざ走り出しても非常に緊張感を伴う走行だ。 そんな中でも時折非常に美しい紅葉が目に留まり、バイクを一時的に停めては写真を撮った。ちなみにバイクに跨ったままでの撮影である。 本当なら今回GIVIのトップケースに無理矢理詰め込んできたコンパクトバーナーを取り出し、道端で温かいコーヒーでも飲みながらゆっくりと景色を楽しみたいところだが、娘は寒くてそれどころでは無いらしい。可愛そうなのでひたすら山を下った。

  

 そんな中、スーパーシェルパを道端に停めて写真を撮っていると1台のパジェロミニが抜かして行った。 私達はパジェロミニに抜かされた後また走り出し、途中キジを見かけたりと景色を楽しみながらひたすら走る。標高が下がるにつれ道の状況は走りやすい状態になるが、今度は大雨の影響か?湧水の影響で時折道が川となっている場所も走った。

 ほぼ山を降りきりそろそろダート区間も終わりか?と思っていた矢先、先程抜かして行ったパジェロミニが今度は対向車となって戻って来た。そして通り過ぎる時に話しかけられた。「この先ゲートが閉まっていて通れませんよ!バイクも無理なようです。引き返すしかなさそうです。」との事。 やっと山を降りきったか?と思いきや、今度は今迄苦労して降りてきた道をまた引き返す羽目に・・・・(TT)

 仕方なく私達もその場でUターンし、再度大弛峠方面に引き返した。下りと違って昇り道は少しは走りやすかったが、かなりの距離である。途中何台もの車とすれ違い、「この先通行止めだそうですよ。」と私も話しかけながら大弛峠に到着した。

 これでまた予定が大幅に狂ってしまった。また峠のトイレに立ち寄る。寒いので娘もトイレが近い。既に13:30、そろそろお腹も空いたので塩山市街まで下りファミレスでも入ろうと思った矢先、峠付近で懸念していた交通渋滞が発生していた。そう、駐車車両の影響で車が対向出来なくなっていて交通マヒ状態になっていたのである。にっちもさっちも行かない状態の中、双方の車の人が苛立ち、何人かが車外に出て怒鳴りあっていた。 こちらはそれを横目に車の隙間を慎重に進み事無きを得たが、次々に出会う対向車には気の毒に思った。

昼飯は塩山市内のファミレスで

 やっと塩山市街に戻り、ファミレスの「ガスト」に立ち寄った。 娘も空腹と寒さと疲れで顔色が悪い。 本人は「大丈夫だよ。」と言ってはいるが少し心配だった。2人共温かい牛すき鍋膳を食べ、やっと寒さを感じなくなり満腹にもなれた。(14:57) 娘の顔色も若干良くなった気がする。 食事を取りながらこれからのルートを考えた。 娘の体調も考慮し、この後近場の温泉でゆっくりし、大菩薩ライン(青梅街道 国道411号線)を通って帰宅する事にした。

大菩薩の湯

 ガストを出て国道411号線に入り、途中で今日2度目の給油を済まし温泉へと向かう。「大菩薩の湯」が本日の立ち寄り湯だ。 この温泉の駐車場へは大きくヘアピンカープを一旦上ってから入る感じだった。施設自体は遠くから見ても立派な造りで、この近くに在った萩原口留番所の門が温泉施設内の駐車場との間に復元されていた。バイクは警備員の誘導で専用の駐車スペースに停められた。

 温泉施設内に入ると中は大変な混雑振りだった。私自身はタイミング良く洗い場を使用出来たが、後から入ってきた人は順番待ちとなった。温泉自体はかなりぬるめ。もう少し暖かければと思うほどぬるく、何時もなら露天風呂がメインだが内風呂に入る。それでもかなりぬるめだったので、もっと寒い時はどうなんだろう?と思ってしまうほどだった。 長湯をしてやっと身体が温まったので外に出ると休憩室は満席状態。仕方なく廊下で腰を下ろすとしばらくして娘が出てきた。 その後館内放送が入り、入浴制限が行われた。 娘もすっかり元気になり、バイクに乗りたいとの事なので、出発する事にした。(16:00)

  

と、ここで大変な事態になっていることが発覚した。バイクに戻りタオルなどをトップケースにしまおうと開けると、何と水筒の水がこぼれていて端の方が水没していた。あわてて水筒を取り出し、水筒の水とトップケースの中の水を捨てた。幸いにも濡れてはまずいものは入っておらず難を逃れたが、今後は注意が必要だと肝に命じる事件だった。(^^;)

大菩薩ライン走破

 温泉を出発し大菩薩ラインに入ると、しばらくはまったく信号の無い区間となり順調に進んだ。しばらくしてオフロードバイクの集団に追いつかれたので道を譲る。そしてその後ろをくっついていく感じで走ろうと思ったが、この集団のペース、異様に速い。(^^;) とてもついて行く事など不可能なハイスピードだったので諦める。w その後はペースの遅い車列に追いつき後ろを続く感じで我慢の走行だったが、信号の無い道のおかげである程度順調に東京方面へと向かっていく。

 小河内ダムの横を通り過ぎる時、娘が「あっ!見て見て!お父さん!」と叫ぶので横を見ると、ダムからかなり迫力のある放水が行われているのが見えた。奥多摩の湖畔を過ぎると交通量は急に多くなってきた。そして間もなく大渋滞が発生。しかし、青梅までの区間は結構歩道と車道の間に余裕があり、車の渋滞を横目にまたまた余裕の走行が可能だった。バイクの数もかなり多くなり、隼の集団や色々な集団の姿も見られた。

 結局自宅までは都道5号線(青梅街道)井の頭通り、環八へと走行し、自宅到着は19:42。 走行距離約434kmだった。

給油量 3回 13.47L 1875円
中央高速 調布IC〜八王子区間 500円
八王子〜相模湖東IC 550円

おわり

九十九電機