娘と2人でキャンプツーリング

ハプニング続出の3日間、志賀草津の旅

2007.7.27(土)~29日(月)走行

初曰は猛暑にやられる!

 今回は娘(次女・ひかり)と私の2人だけで2泊3日のキャンプツーリングに行った。
オートキャンプは今まで何回も家族ぐるみで行っているが、バイクで娘と2人だけで行くキャンプは今回が初めてだ。丁度息子(大貴)はアメリカにホームスティ中、長女(あかり)はサッカーの合宿中と1人だけ留守番となって予定が無かった次女(ひかり)を連れて行く。
 本当は妻も一緒に2台3人で行く予定だったが、妻は用事が有るとの事で行かれなく
結局ひかりと2人だけのキャンプツーリングとなった。予定していたキャンプ場は長野県の山田牧場内に在るキャンプ場だ。志賀草津道路から県道66号線で小布施側に下った所に在る。このキャンプ場なら以前も利用し勝手も分かっているし、予約も要らず料金も安い。しかも1番の魅力はとにかく涼しいと言う事だ。暑がりの私にとってはそれが何より嬉しい。
 金曜日1日だけ休暇を取り、久々の平日出発となった。土日と違って平日と言うのは特別な感じがして何となく嬉しい気分になる。
 朝は5時に起床、今回往きは高速道路を一切使わず一般道のみで行く事にした。しかしこれが後で大後悔に繋がる大きな過ちとなった。
 5:30に出発。今回は大荷物なので自宅前でバイクのエンジンを始動する。何時もなら少しバイクを押して歩き、自宅から少し離れた場所でエンジンを掛けるのだが今回は重くて無理。自宅前でエンジンを始動し十分な暖気運転もせず、近所迷惑を考慮し直ぐに走り出した。
 平日と言う事もあって環七通りはこの時間では交通量が若干多め。それでも渋滞には巻き込まれず順調に走行する。

 環七から目白通り、川越街道(国道254号線)と進む。しかし、所沢付近を過ぎると早くもひかりが眠いと言い出した。仕方無く新河岸付近のセブンイレブンに立ち寄り休憩する。(6:40) ここでは物論座って休憩する所も無く立ったまま。(^^;)
 仕方なく店前でジュースを飲んでいると通勤する会社員やOL等が目の前を通り過ぎて行った。平日なんだなぁと改めて実感する。

BMWライダーに声を掛けられる。

 ひかりが復活し再出発する。
川越市付近を通過し南園部付近を走行していると、後ろから追い付いたBMW R1150GSのライダーと信号待ちで隣に並び声を掛けられた。

 「良いゴロのナンバープレートですねぇ!?」(R1150GS)
 「ええ!どうも!(^^) 私も気に入ってるんですよ!」(私)
 「何処に行かれるんですか?」(R1150GS)
 「志賀草津方面に行く予定です」(私)
 「良いですねぇ・・・私はこれから仕事なんですよぉ」(R1150GS)
 「じゃあ!お先に!」(R1150GS)

 彼は先に走って行った。彼は私達の事を少し羨ましく思ったかも知れないが、私の方こそGSで出勤する彼を羨ましく思っていた。
 国道407号線から国道17号線に入る頃には気温もかなり上昇。ひかりが熱中症にかかるか?かからないか?心配する程になって来た。暑さと震動のせいかひかりがまた眠くなり再び休憩する。本来ならゆっくり落ち着いて座れる場所で休みたかったのだが、探している程余裕もなく直ぐに休める場所に停める。

 この時もまたセブンイレブン(熊谷新堀店)が休憩場所となった。(8:10) 日向ではあるがこのセブンイレブンにはベンチが設置されており、雨が降った時の為に持って来た折り畳み傘を日傘代りに使用して少し休んだ。
 高速道路なら常に風を受けながら多少は涼しく走れたと思うが、一般道では信号に引っかかったりして殆ど走行風の恩恵を受けれなくとにかく暑い。この時点でやはり素直に高速道路を利用しておけば良かったなぁと後悔していた。

 そしてひかりが復活し再び出発する。国道18号線に入り、安中付近でファミリーレストラン「ガスト」(GT安中店)を見付け、ここでゆっくり休む事にした。(9:45) 熱中症にはならなかったが、この時点での気温は凄まじく、R1200RTのメーターに有る気温計は38.5度と言う数字を表示しており、それ自体見るだけでもうんざりする程の暑さだった。
 私自身、ヘルメット内で汗が額を流れるのを十二分に感じていた。ここならひかりを充分に休ませる事が出来る。ガストではモーニングセットを注文。以外と安い。(2人で903円) 店内のエアコンが効いた涼しさはまさに天国に思えた。

北軽井沢の動物広場で楽しむ

 しばらくガストでゆっくりし、そして最初の目的地である北軽井沢の動物広場を目指した。途中スーパー(ヤオコー)でキャンプ中の食材を購入する。(11:15) 食材と言っても殆どがインスタントだ。その後はあまり停止せず走り続ける事が出来、標高も上がったせいか、ようやく涼しさも感じられる様になってきた。
 そして動物広場に到着。(12:35) ひかりは期待していた場所にやっと到着したので喜んで早速ウサギに触れられるコーナーに行く。最初は恐る恐る遠慮深げに撫でるだけであったが、その内慣れてくるとやっと抱き上げたりする様になった。ここではその他にソフトクリームを食べたり、丘の上に登って景色を見たりと楽しんだ。浅間山もしっかり見え、これから向かう志賀高原方面の山々もハッキリと見えた。

 次に向ったのは今回の目的地である山田牧場内のキャンプ場だ。
北軽井沢から一気に草津を抜け、白根山や横手山を眺めながら走り抜けた。さすがに志賀草津道路は涼しくて爽快だ。遠くの山々までしっかり見えた。

山田牧場キャンプ場に到着!

 山田牧場への道は志賀草津道路の横手山を抜け県道66号線へ左折する。以前のツーレポでもふれているが、これがツーリングマップルで悪路と表記されている道だ。県道66号線は一応全面舗装されているが、道幅が狭く対向車とすれ違う事が不可能な場所が多々有る。時折見通しの悪い場所ではクラクションを鳴らし慎重に進む必要が有る。この道は狭く走り難い割には対向車とすれ違う機会が多いので利用する人は充分注意して頂きたい。
 ちなみにこの道、牧場内を走る為、もう1つ注意しなければならない事が有る。道に居る牛への注意は物論の事だがもっとも注意すべきは道のあちこちに残された牛糞である。うっかりタイヤで踏んでしまうと香ばしい臭いをしばらく堪能する事になる。
 こうして十分早い時間帯に山田牧場に到着。(15:10) キャンプ場入口付近に牛が沢山居て我々を迎えてくれた。

 キャンプ場には既に数組の人達がテントを張っていた。この時、バイクをキャンプ場入口付近に停めたまま手続きを行い、荷物を下してテントの設営を始めた。テントを張り終ったら直ぐに温泉へ向かう為だ。
 今回ひかりをキャンプに連れて来るにあたり、実際にテントを自分で張らせたり、ノウハウを教えたりと一緒にキャンプの準備をして楽しむ事を心掛けていた。小学校4年生位になれば、力の要る作業は無理ではあっても大低の事はやりこなせる。そして1つ1つ自分で出来た事が嬉しく楽しく、かつ自信となってくる。
 テントを張り終えると早速自分が何処で寝るか決めると言い、2人用のテント内に入って喜んでいた。
 普段使用するオートキャンプ用のコールマンの大型テントとは違い、ひかりとしては初めて使用する小型ツーリング用テントに興奮していた。
 一通り準備が済んだところで温泉に行く事にする。温泉に入ってからキャンプ場に戻り、まだ明るい内に夕食を食べ終わる様にと考えていた。その為にも早く温泉に行く必要があった。

間一髪のアクシデント発生!

 着替とタオルを持ち、いよいよ温泉へ出発と思ってキャンプ場入口に行った時の事である。ひかりの直ぐ側に居た角の有る大きな黒い牛が何を思ったのか?軽くではあったが角でひかりに攻撃して来た。これには直ぐ横に居た私もびっくりし、思わずその牛の角を両手で掴んでしまった。ひかりは既にヘルメットを被っていたので怪我が無かったものの軽く頭突きを食らってよろける程であった。幸い大事には至らなかったが、ひかりと私にとっては若干恐怖を感じた瞬間だった。その牛は私が掴んだ角の手を振り払う様に横を向き、また直ぐ大人しい牛に戻った。
 それを見ていたキャンプ場の管理人の方が、キャンプ場入口付近に集っていた牛を大声で追い払ってくれた。
 ひかりも私も一瞬ヒャッとはしたが、別にその後気を付けていただけで問題は無かった。
気を取り直してバイクに乗り温泉を目指し出発する。

素晴らしい温泉に入浴

 目標としたのは小布施温泉の「穴観音の湯」だ。途中に在る大滝温泉も良いなと思ったが、ひかりがどうしても「穴観音の湯」が良いと言うので通り過ぎる。しかし、山田放場から7km程走った所でひかりがタオルを忘れた事に気付き、キャンプ場まで引き返した。これが大幅な時間ロスとなり、一気に時間的に余裕が無くなってしまった。タオルを取り、再度「穴観音の湯」を目指したが、ひかりに「今日は別の近い温泉に入って穴観音の湯は明日にしよう!?」と話すと、最初は「でも穴観音の湯に行きたい!」と言ってはいたが、結局諦め途中で見掛けた日帰り入浴が出来る「湯元館」に入る事にした。

 「湯元館」の玄関を入り、「すみませ~ん!」と声を掛けると女性が出て来た。
「後30分で終りなんですけど・・・」と言われる。そんなに長湯する気は無かったので、「あっ!良いですよ!」と答えると、ひかりの入浴料を半額サービスしてもらえた。
平日と言う事も有り、私達2人が最後の客だった。2人だけなので娘と2人で貸切状態となる。
 ここの温泉は天然掛け流しの温泉で、とても素晴らしい温泉だった。湯の色は透明だが、とても綺麗な湯の華が混じる。加温はしていないが若干湯温が高く、水で薄めてからでないと直ぐには湯船に入れなかった。
ひかりは予想通り泳ぎ出す。2人でチャンスとばかりに写真を撮り、本当に贅沢な一時を味わえ満足出来た。

キャンプ場はとても良い天気に恵まれたが・・・

 温泉を出てキャンプ場へと戻ると今度は夕飯の仕度に取り掛かった。
初日の夕飯はレトルトのカレーとパックのご飯で作るカレーライス。それにインスタント食品のお味噌汁だ。何とか明るい内に食べ終り、後片付けもゴミも最少減に減らす事が出来た。
 この時、横手山方向の青空に、くっきりとした入道雲が見え、その景色がとても印象に残った。(右上 18:35撮影)
 実はこの日、山田放場のキャンプ場では全く雨が降らなかったのだが、草津の方では激しい雷雨となり送電線が落電で切断され、かなり広範囲で翌日午後まで長時間に渡り停電となっていた事を翌日知る事となる。
 陽も落ちると急に気温も下がり、ひかりはフリースを着たが、暑がりの私は半袖Tシャツと短パンで過ごした。夜になると星が見える様になったが、キャンプ場が思っていたよりも明るく、期待していた程の星空とはならなかった。しかし、普段東京では見られない位の星の数や、北斗七星やカシオペア、夏の大三角形などはハッキリと見る事が出来たので、ひかりと2人で星や月の観測をして楽しんだ。

 テントに入るとひかりは少し寒かったらしくシュラフ(寝ぶくろ)に入った。シュラフはダウンが入ったものを持って来たので、シュラフに入ってからは暖かくて寒くはなくなったそうだ。
しばらく今日の感想や明日の計画等色々な事を話し、そして時々遠くで鳴く牛の声をききながら早めに寝た。

2日目の朝も快晴で迎える

 翌朝、いつもはゆっくり起きるひかりが私より早く起きていた。
天気は今日も晴れ!それも雲1つ見当らない完璧な快晴だ!
2人共ぐっすりと快眠出来たので、変な疲れもなく気持ちが良い。
早くもひかりがお腹が空いたと言うので直ぐに朝食の準備に取り掛かる。

 朝食のメニューはビーフシチュー(レトルト)とご飯(レトルト)とコーンスープ(インスタント)と徹底的に手抜きメニューだ。しかし、栄養バランスは充分取れていると勝手に判断し良しとする。(笑)
 ビーフシチューを食べているとひかりが「牛さんが見たら恕るかも?」なんて言いながらペロリとたいらげた。量的には1人前だったが直ぐに食べ終ってしまった。
そして手抜きゆえ調理も早いが後片付けも早く終わる。
 今日の朝一の目的地は昨夜ひかりと決めた「尻焼き温泉」だ!必要最小限の装備で荷を軽くし、県道66号線の急坂をグイグイ上る。今日は重いキャンプ道具を積んでいないおかげで走りも軽快で気持ち良い。
 そして快晴の横手山と白根山横を見ながら通り過ぎ草津市街に到着。本当はここでガソリンを入れる予定であったが、ガソリンスタンドには人が居るものの営業はしていなかった。

大規模停雷と言うハプニング!

 草津市街を通り抜ける時、信号が消え、警察官が交通整理をしている。「何か有ったのかな?」と思いながらも通り過ぎ、そして市街地を抜けコンビニエンスストアに立ち寄りやっと異変に気がついた。大規模な停電が発生していたのだ。
 コンビニエンスストアに立ち寄ると店内は暗く、既にお弁当など冷藏が必要な物は全て徹去されていた。何とかまだ少し冷えている飲み物を購入するとレジが使えないので電卓で計算していた。お店の人の話では、昨日午後3時頃に落雷により送電線が損傷し停電が発生したらしい。それにより草津市街のみならず、広域で停電となりガソリンスタンド、温泉、飲食店等全て営業不能状態となり、電車も止まってしまったままとの話であった。しかも復旧の見込みは立っていないらしい。
 ここで大変な事態になっている事を初めて知ったのだった。

 取りあえず向かっている尻焼き温泉は天然の川の温泉で影響無いのでそのまま温泉へと向う。

尻焼温泉にて入浴

 尻焼き温泉もこれで今年2回目の入浴となる。前回長男の大貴が若干溺れかけた深い場所が有るのを思い出し、ひかりに深い場所が有るので溺れれない様にと注意する。するとひかりは「大大夫だもん!水に浮かぶ方法知っているもん!じっとしていれば浮くんだもん!」と言い返す。川岸でタオルを巻き、ひかりと私は水着を着て準備を整えた。
 川底が滑り易いので慎重に川に入る。湯温は結構高めである。でも、火傷する程熱い場所はない。しかしひかりは足先だけ川に入れ、中々入ろうとはしなかった。理由を聞くと日差しが強く暑いのでもっとぬるいのに入りたいと言う。そこで日影の所で入ればと教えるとやっと川の中に入った。

ひかり、軽く溺れる!

 やっと川の温泉に入ると、わざわざ一番深い所に入ろうとしていた。しばらくは岸に摑まっていたのでちょっとだけ目を離し、ふと振り返るとひかりがぶくぶくぶくぶく・・・と溺れかけていた。
私は慌ててひかりの両脇を抱えて持ち上げた。
ひかりは一瞬引きつった表情をしていたが、直ぐに持ち上げたので安心した表情となった。

「やっぱりおぼれたじゃん」 (^^;)
「だって・・・」

ホント子供は目を離せられない。
ひかりもちょっとテレくさそうに笑いながら

「これじゃあ きっとあかり(長女)だって溺れるよ」

などと言っていた。

買い出しと給油

 しばらくこの川で遊び、ひかりも十分満足したと言うので念の為山を下りガソリンスタンドで給油する事にした。行った場所は長野原のガリリンスタンド(ENEOS)だ。しかし、やはり停電の影響で営業出来ていないとの事で、お店の人が申し訳無さそうに謝っていた。事情をある程度知っていたので 「いえいえ、しょうがないですよね」 と、色々と停電の事を尋ねてみると、まだ復旧の見込みは立っていないそうだ。何処まで行けば給油出来そうか聞いてみるとかなり距離が有るが中之条方向の岩下まで行かないと無いと無理らしい。
 仕方無く食糧の買い出しも兼ねて中之条方面走る事にする。この日もまた厳しい暑さの中、やや渋滞気味の国道145号線を走る事となってしまった。ひかりはまた早起きと暑さの影響で眠くなったらしい。
 そしてやっと営業しているガソリンスタンドを見付ける。ガソリンスタンドでは4台位のバイクが給油を終えようとしていた。その内私の前で給油していた人に声を掛け、話をするとやはりこの人達もガソリンスタンドが営業しておらず、ガス欠を気にしながら大変な思いをしてここまで来たらしい。
 給油中ガソリンスタンドのおばさんにこの近くに在るスーパーをたずねてみると、更にこ先8km程進んだ中之条市街に在るらしい。走り出すとひかりは眠くて起きている事が殆ど出来ない状態だった。何とか声を掛けたり足を叩いたりして寝かさない様にして走る。 それでそろそろお昼時なので、ゆっくり休めて食事が出来そうなお蕎麦屋さん「やまと屋本店」に入る事にした。

 ここではお座敷でゆっくり出来た。ひかりも食べ終ってから少し横になり体力を回復出来たらしい。

 お蕎麦屋さんを出てからは近くにあるBesiaと言うスーパーに立ち寄った。このスーパーではこれから志賀草津方面を目指すと思われるライダー達が大勢買い出しをしていた。
買い物を済ませ、キャンプ場に戻る事にした。

 途中、先程の晴天が嘘の様に雲りがちになり、一瞬雨がポツポツと降って来たが、降って来たと思っていたら直ぐに止んでしまった。
 昨日の雷雨の事もあり、これから夕立でも降るのではないかとの心配も多少有ったが、標高が上がるにつれ天気は回復しその心配は不要となった。それからやっと停電も復旧した様で、信号も点灯しガソリンスタンドの営業も再開されていた。
 キャンプ場に一但戻ると、出発前にテント横に干しておいた洗濯物が外されていた。すると管理人の人が昼項に2時間程強い雨が降ったので濡れない様に外してテントのフライシートの中に入れて置いてくれた事を教えてくれた。

穴観音の湯へ

 私とひかりは買った物をテント内に置き、そへまま昨日断念した「穴観音の湯」へと向かった。「穴観音の湯」は小布施温泉の1つである。
 昨年は場所が良く判らず少し迷ったが、今年はすんなりと到着出来た。ちなみにナビにはこの温泉は標準では登録されておらず、今回ポイント登録を行っておいた。「穴観音の湯」ではひかりは女湯へと分かれ、ロビーにて待ち合わせをする。

 「穴観音の湯」も昨日入浴した温泉同様源泉掛け流しである。但し、内湯は乳白色の草津と同じ色に対し、露天風呂は無色透明であった。
 両方のお湯共源泉のままなのだが、時間帯等により色がそれぞれ変化すると言うとても不思議な温泉である。

風呂から出ると既にひかりは待っていた。2人でアイスクリームを食べ、ジュースを飲んでゆっくりしてから裏口にある穴観音を見に行った。ここには大貴が喜んだ「蟻地獄」が居る。
 ひかりと早速蟻地獄の観察を始める。丁度蟻地獄の巣の周りに蟻が居たのでひかりがつかまえ蟻地獄の中心部に蟻を落としてみる。すると姿は確認出来なかったものの砂がパッと上がり蟻が蟻地獄に摑まった事が直ぐに判った。こうしてしばらく蟻地獄を観察した後キャンプ場へと戻った。

焚き火を楽しむ

キャンプ場へと戻ると今度は夕食の準備だ。
今回も手抜きなのだが少しだけ調理をする。メニューはスパゲティミートリース、コーンスープ、そしてサラダ代りのきゅうりと言う内容だ。調理と言ってもパスタを沸騰したお湯の中に塩と一緒に入れ、茹でるだけ。茹で終ったらレトルトのミートソースを絡めて終了である。

 こうして夕食を済ませ、今度は焚き火用の枝集めとなった。幸いこのキャンプ場は直火OKでキャンプ場内には焚き火に使えそうな枝が一杯落ちていた。2人で一生懸命集め、日が暮れる前に焚き火を開始した。
 ひかりは直ぐに焚き火に夢中になり、この日の夜は焚き火を楽しんだ。そしてこの日も又星や月を観察し、明日の為に少し早めに寝る。

最終日(3日目)の朝

 3日目の朝はいよいよ最終日である。朝起きたら今日も晴天であった。朝食はパンとミルクティーで済ませる。これから後片付けだと言うのに、ひかりはまた焚き火がしたいと言いだす。

 こうしてまた焚き火用の小枝を拾い集めていると、テントを張った直ぐ近くの立て看板に蝉が羽化し始めているのを見つけた。私は蝉の羽化は夜中に行われるものと思っていたが、日が昇ってからも羽化するのをこの時初めて知った。それから拾って来た小枝の中に、羽化したばかりの蝉がくっついていたのも見つける。(右上) 気が付いたから良かったものの、もう少しで羽化したばかりの蝉を火やぶりの刑にしてしまうところであった。

 その後焚き火が終わると少しずつ後片付けを始め、テントを乾かしながら畳んだり、荷物をまとめ出発準備完了とともにキャンプ場を後にした。
 今日は特に何処も立ち寄らず帰るつもりだ。途中昨日立ち寄ったスーパーBeisiaに寄り、軽食コーナーでたこ焼を食べたりかき氷を食べたりした。そして帰り道では高速道路は渋川伊香保ICから乗った。

お父さん!ヒョウが降ってきたぁ~!

 3日間、娘(ひかり)との初キャンプツーリングも晴天に恵まれ、雨に悩まされる事なく最後はゴールである自宅への到着のみとなった。しかし、関越自動車道路も川越IC辺りに近づくと嫌な予感がして来た。前方の空は暗雲と稲光が激しく光っている。そして電光標示板にも「この先雨」などと表示が・・・。
 私としては今迄の暑さを思うとどうせ自宅に帰るだけだし、雨に濡れて帰っても涼しくなって丁度良いかも!とも思ったが、ひかりが風邪をひくかも知れないとも思い、ひかりに「この先雨が降るみたいだけどレインウェア着る?雨宿りするためPAに止まろうか?」と聞く。すると「着ない!」との返事で着たくない様な口調であった。そこで覚悟を決め、PAにも寄らずそのまま走り続けた。

 するとそれは突然襲って来た!関越自動車道 新座料金所手前で滝の様な雨である。水しぶきで前も良く見えず、しかも道路が川の様に水が流れている。前を走っていたライダー達は1台残らず立橋下の雨があまりかからない場所に止まり避難し始めていた。するとひかりがたまらず

「お父さ~ん!雨じゃなくてヒョウが降ってるよぉ~!痛いよぉ~!」
「凄いねぇ!でもこれは雨だよ!雨粒が大きいから雨が身体に当たると痛く感じるんだよ!本当にヒョウだったらこんなもんじゃ無いよ!」
「やっぱりカッパ着るぅ~!」
「判ったぁ!じゃあ止まるよ!」

でも、既にびしょ濡れで手遅れ状態であった。丁度新座料金所を通過したので左端に寄りバイクを止めた。まずはひかりのレインウェアを慌てて着させる。そして自分もついでに着る。
 しかし本当に久し振りに体験する激しい集中豪雨である。バイクは私達のバイク以外は走っておらず、自分でさえもこんな雨の中走り続けている自分を凄いと思った位である。新座料金所から先は雨の影響もあって渋滞していたが、私達は雨宿りする事も無く先へと進んだ。
雷も相変らず激しく、落雷を気にしながらの走行だった。

 目白通りから環七に入り国道246号線との交差点を超えると急に雨足が弱くなった。と言うか、大雨が降った形跡が無く、今小雨が降り出したみたいな路面状況である。しかも西の空は青空すら見えてきた。
 そしてやっと自宅に到着。キャンプ用品一式の大荷物をバイクから下ろし、ついでにバイクも洗車した。すると雨はすっかり止み、また暑い夏の空へと戻った。

この3日間、1日に1つはハプニングに遭遇した印象深いキャンプツーリングとなった。娘(ひかり)にとっても帰宅後、興奮しながら母親やあかりにこれまでの出来事を嬉しそうに話していた。

さて・・・次回はあかりをキャンプツーリングに連れて行かなければ・・・(^^)

おわり