多摩川水源オフロードツーリング

日原鍾乳洞・一之瀬高原・奥多摩周遊ソロツーリング

2007.8.19(日)走行

多摩川の水源地帯を求めて!

 まだまだ暑い日が続く夏真っ盛りの8月19日(日)、涼を求めて私の住む東京大田区と神奈川県境を流れる多摩川の水源地帯を訪ねるツーリングを思い立ち決行した。今回使用するマシンは妻のスーパーシェルパ!妻がしばらく乗っていないのでここらで私が乗ってやらないとバッテリー上がりやらガソリンのキャブ詰まりが心配。(^^;) そこでメンテナンスを兼ねツーリングに行く事にした。
 今回子供は連れていかず自分1人だけで行くソロツーリングにした。その理由は熊が出るかも知れない林道を行ける所まで進む計画だったからだ。山の奥地で行き止まり迄となると、子供を連れて行くのはちょっと危険である。
ま、今回は気の向くままマイペースで気兼ねなく行く事にした。

間一髪!白バイ追尾!

 自宅からは何時ものように環八通り→新青梅街道と走行する。しかし、新青梅街道では何時もと違ってやたらと赤信号で引っかかる。しかも私の直ぐ後の車はどんなにスピードを出しても次の信号で止められるのにも係らず、車間を詰めて煽って来る状態が長く続いた。そこでしばらく走ったところで微妙なタイミングの信号で少しスピードを出し、何とか次の信号を赤になるまでに渡ってしまい突き放そうとした。すると、案の定煽っていた車2台も赤信号のタイミングをかわし信号を抜けて来た。
 しかしである。ミラー越しにその煽って来てた車が急に減速、そしてその後ろに白バイを発見!急速に近づいて来るのが見え、私は慌ててブレーキを掛けた。すると白バイは私の左後につき一言、「バイクの運転士さん!もうちょっとスピードを落として下さいね!」
私は白バイ警官にペコリと挨拶すると白バイは加速してその先の対向車線側の建物の物影でまた張り込みを開始しだした。
まさに間一髪であった。(多分計測前だった)
おまわりさん、ごめんなさい!反省しています!
キップを切られなくて良かったです。
すると私の横を猛スピードで別の車が抜かして行った。(−−;)

久し振りに日原鍾乳洞線を走る

 青梅市街を抜けると快適に走行出来る様になり、順調に進みだす。
私も景色を見ながらゆっくりと走行する。やっと気分良く走れるようになった。
 そして奥多摩駅近くの日原街道入口の交差点を、18年振りに右折し日原鍾乳洞線(都道204号線)に入った。(本当は20年振り以上かも知れないが、正確に覚えていない)
日原鍾乳洞線は昔車で日原鍾乳洞に行った時走行しているのだが、どんな道だったか全く覚えが無く新鮮な感じで走れた。道は狭いがバイクなら特に問題はない。

 途中、トロッコ用の鉄橋が頭上を通っており、鉄橋上を人が歩いて渡っていた。これはセメント工場用の線路だろうか?(左上)
 日原鍾乳洞線は奥へ進めば進む程道の標高が高くなり谷底が深くなるので、それなりに走りながら見る景色の迫力が増してくる。これが東京都とは信じられない程山深い景色だ! しばらく走っているとちょっと面白い形の岩山が在ったので写真を撮ったが、同じ様に写真を撮っている人が居た。(右下)

林道小川谷線

 日原鍾乳洞前を通過すると、直ぐに圧巻の断崖絶壁が左側頭上に見えた。ここは何時崩れてもおかしくない様相で、危険な感じが漂う。

 そして私はその先にある林道入口へと向かった。この林道は「林道小川谷線」と言い、ツーリングマップルによれば約6km程は走行出来るようだ。林道区間に入ると直ぐに岩の下を潜るような所を通り、少し昇仙峡を思い出させられるような感じの所もあった。

 林道小川谷線を奥に進むにつれ、更に谷底は深くなっていく。時々広い道では車が駐車されているのを見かけたが、人の姿は見かけなかった。
 林道を走行していると鳥やアゲハ蝶を多く見かけた。(右上 中央付近にアゲハ蝶がとまっている) 特にアゲハ蝶は毛虫と芋虫が嫌いで蝶も少し嫌いな私でも、思わず見とれてしまう程美しい青色の羽を持つアゲハ蝶だった。

 林道を約6km程走ると行き止まりは突然現れた。道が急に無くなったのだ。人のみが歩けそうな道はありそうだったが、そこも少し崩れており、ここが終点どん詰まりと言う事で引き返す事にする。(左上)
 少し気になったのはこの行き止まりの場所に焚き火をした跡が有ったのと、おつまみの食べ残しが散乱していた事。一体誰がどんな目的でここに居たのだろう?
 まさか・・・自殺目的で・・・?などと思えてしまう不気味さも有った。
 実はこの行き止まりの手前には、更に他の林道の入口が有ったのだが、こちらは道路の一部が崩落して非常に危険と言う事で、バリケードで塞がれ車が進入出来ない様になっていた。

 肝心の水源の方だが、この山林一帯も多摩川の支流である日原川の水源である事は、この地区のあちこちに表示されている案内板でも間違いはない。
 しかし、まだこの上流には小河内ダム(奥多摩湖)も有り、水源を辿れば更に奥地に進む事になる。

日原鍾乳洞に入ってみた

 とりあえず日原林道を日原鍾乳洞まで戻った。そして超久し振りにこの日原鍾乳洞へ入ってみる事にした。
 奥多摩地区とは言えバイクで走っていれば多少涼しいものの停まれば暑い。鍾乳洞内ならば涼を求める場所としてこれ以上適した場所はないだろう。
 日原鍾乳洞は都の天然記念物に指定され、関東でも随一のスケールを誇っている。
 入場料金600円を支払い入口まで行くと、鍾乳洞の中から非常に涼しい冷気が外に吹いていた。そのあまりもの温度差で鍾乳洞から吹く風が水蒸気を発生させていた。鍾乳洞内に入ると設置されていた温度計は何と9℃を指していた。
 私はTシャツ1枚で鍾乳洞内に入ったが、それでは若干寒さを感じる位だった。
 鍾乳洞の入口付近は風が強く吹いていたが奥に入ると風は止み、見学するには涼しくて丁度良い気温で気持ち良かった。

 日原鍾乳洞で今回1番印象に残ったのは「水琴窟(すいきんくつ)」だ。静かな洞窟内に水が落ちる音が「カッコーン・・・キーン」と言う様な不思議な音がこだまする。まさに自然が創った芸術だ!

世界最大の水道専用ダム・小河内ダム(奥多摩湖)

 鍾乳洞を出ると次は小河内ダム(奥多摩湖)を目指した。

 奥多摩湖に到着するとバイクを駐車場の日陰になる場所に駐車し、小河内ダムの提体上の展望台へと向かった。 奥多摩湖には過去数え切れない程来ているが、今回このダムの展望台まで行った事は無かった。
 展望台内ではダムの建設が戦争(第二次世界大戦)の影響を受け、戦前・戦後に渡る長期の工事期間となり、大変な苦労を重ねやっと完成した事が紹介されていた。また、床には奥多摩周辺を紹介した絵地図も書かれてあった。(右上)

 実はダムの提頂上を歩いていた時に、偶然下を覗き込んで気がついたのだが、提頂上の通路を歩いていると無風で太陽の直射日光を浴びとても暑いのだが、提体から少しだけ身を乗り出し下を覗くとダム下からとても涼しい風が吹いており、谷の涼しさを感じる事が出来た。

昼食はお蕎麦(陣屋にて)

 小河内ダムを見学した後お腹が空いたので、奥多摩を訪れてもいつも店前を通り過ぎていて1回も入った事が無かった「陣屋」に立ち寄る事にした。 この「陣屋」は深山橋の直ぐ横に在る有名なお蕎麦屋さんだ。ツーリングマップルでも紹介されている。バイクを「陣屋」の向いの駐車場に停めた。
 実は小河内ダムから深山橋に向かう途中、救急車や消防車のサイレンが鳴っているのを聞いていたが、深山橋でもパトカーがウロウロし、何かこの先の奥多摩周遊道路で大きな事故が有ったのでは?と感じていた。

 「陣屋」では手打ちとろろ蕎麦を食べた。注文してから少し待たされるのだが、期待通りのとても美味しいお蕎麦だった。でも、少し料金が高く、量が少ないのが難点か?(^^;)
 お蕎麦を食べ終わり店を出ると、多摩川の水源と言われる一之瀬高原を目指した。

奥多摩の浮き橋は今・・・

 奥多摩湖を左に眺めながら走るうちに、遠い昔渡った事のあるドラム缶橋は今どうなっているのだろう?と思い出し、見付けたら立ち寄ろうと考えた。すると、しばらく走るとそれらしき浮き橋を見つけその手前の駐車場へバイクを停めた。
 そこで見た浮き橋は既にドラム缶が使われているのでは無く、何だか結構しっかりとした造りの立派な浮き橋となっており、少し寂しい気がした。
 浮き橋は結局見ただけで渡らず、改めて一之瀬高原を目指し出発した。

多摩川の水源は水干

 そして一之瀬高原への入口である一之瀬林道へと突入する。
 この林道は結局全線舗装路だったが、意外とバイクを停められる適当な場所が無く走り続ける。スーパーシェルパでトコトコと低速走行中、ハンターと思われる人がライフル銃を持って森の中に入っていく姿を見かける。この時期は禁猟の筈だがもしかして熊退治?それとフェレット(イタチ?テン?)の様な動物がバイクが走る前方を横切り、バイクを停止させるとしばらくこっちを見ていた。

 一之瀬高原はツーリングマップルにも記載されているように「多摩川の最初の一滴と言われる水干への登山道」がある。一之瀬林道を走行しているとこの水干への登山道入口に駐車出来るスペースがあり、この時も1台の車が駐車されていた。私も水干まで行ってみようかとも思ったが、案内板を見ると往復3時間以上は必要そうだったので諦める。ちなみに一之瀬高原は既に山梨県のエリアに入る。つまり、多摩川の最初の一滴はこの山梨県と埼玉県の県境である「笠取山」に有るらしい。

奥多摩周遊道路はバイク事故多発地帯!


 次は奥多摩周遊道路へと向かう。途中ガソリンスタンドに立ち寄り、ついでにその向かい側にある農産物直売所でソフトクリームも食べる。

 先程の深山橋を渡り直ぐに左折すればいよいよ奥多摩周遊道路となる。ここは軽快なワインディングロードだが、この道を通る時、約5回に1回程度は事故を目撃している。そしてこの日もまた、大きな事故があった形跡を目撃した。コーナーを曲がり切れなかったのだろうか?スーパースポーツタイプのバイクがコーナーのアウト側の木に正面衝突し大破していた。その事故車の友人の方だろうか?その事故現場のところで呆然としている姿も見かけた。多分、先程お蕎麦屋さんに立ち寄った時、消防車やパトカー、救急車が向かっていた騒ぎがこれだったと言う事は直ぐに判った。

 以前、私はこの奥多摩周遊道路で、救急車ではなく緊急搬送でこの奥多摩周遊道路の途中にある臨時ヘリポートにヘリコプターによって病院に搬送されていく場面に遭遇したりしている。ここ、奥多摩周遊道路では事故に遭っても病院に収容されるまで2時間は掛かるので慎重な運転を心掛けたい。(右上は駐車スペースにあるライダー向けの注意書き)

 それでもこの日の奥多摩周遊道路は沢山のライダーが訪れており、かなりのハイペースでコーナーを抜けていく人達が多かった。

最後は中央自動車道を利用し帰宅

 奥多摩周遊道路を抜ければ後は帰路につくのみだ。秋川渓谷を通り過ぎ桧原街道を進む。そして国道411号線から八王子へと進み中央高速道路 八王子ICから自宅へと向かった。

おわり