オフロードバイクで行くソロキャンプツーリング

スーパーシェルパで1泊2日(前編)

2008.7.12(土)〜13(日)走行

前夜に急遽キャンプの準備

 急に何となくキャンプツーリングに行きたくなった。蒸暑い日が続くので久し振りに山の中でテント泊し涼しい夜を過ごしたいと思った。 今回は天気予報もあまりパッとせず、おまけに子供は3人共用事が有って一緒にツーリングに行けないらしい。それならばと1人なら気楽なツーリングにもなり雨に降られるのも有る程度は覚悟するつもりでキャンプの準備を慌てて出発前日11日(金)の夜21時過ぎに始めた。

 前回の東北自動車道利用時はETC早朝夜間割引の時限(6時)に料金所を通過出来なかった事を反省し、今回は5時ピッタリに自宅を出発。何とか余裕を持って無事料金所を通過した。都内を出発した当初は良く晴れていたものの、岩槻付近からは霧が立ちこめ何だか雲行きが怪しい。霧ならば直ぐ晴れるだろうと思いきや、意外と中々晴れずヤキモキする。

 最初の休憩は佐野藤岡SA。特に何も食べる事もなく無料のお茶のみ飲んで喉を潤す。この時点ではあまり暑くなく、風をほぼ全身に受けて走行するスーパーシェルパならではに涼しい風を感じて走行出来た。

見事な杉並木の間を走行

 この日はいつもならETCの割引適用の為、一旦ETCゲートを出てからUターンする事が多い鹿沼ICでそのまま高速道路を下りる。国道121号線を北上しまずは今市を目指す。鹿沼市内ではとても国道表示が多い交差点で右折する。しばらく走ると見事な杉並木の中に道路が吸い込まれていく感じのとても見応えの有る杉並木の中を走行する。この道は初めて利用したが、同じ日光杉並木でも宇都宮方面からの国道119号線の杉並木より立派で圧倒される景色の中を走れる。お勧めの道だ。

日光霧降高原へ

 一旦国道119号線に入り、その先を右折。一旦また国道121号線を走り対向車線側に見つけたENEOSで本日初めての給油を行う。スーパーシェルパはタンク容量が小さいのがウィークポイント。何の警告表示も無くいきなりガス欠でエンストとなるので150kmも走り続けば不安になってしまう。無事ガス欠に遭うことも無く、給油を完了したので少しホッとする。そして途中で見つけたコンビニで2回目の休憩。立ち食いでサンドウィッチとジュースを飲み、自分の燃料も満タンにした。

 それにしても今回久し振りにスーパーシェルパで高速道路を走行したが、手はシビレルはお尻は痛くなるはで大変だった。妻が前回良くも頑張って長距離を走ったか、身を持って体感し感服した。

 県道169号線を走行し、霧降高原へと上っていく。すると警備員が誘導する駐車場が目に付くようになる。丁度日光キスゲが見頃を迎えており、それで車を誘導していたのだ。走行中遠目に日光キスゲを堪能しそのまま通過する。前を走っていた車は道の真ん中で急に停止するなど駐車場に入るか入らないかで迷っている。さすがにクラクションを鳴らし、せめて道の真ん中を避けろと心の中で叫ぶ。そしてその後見晴らしの良い広い駐車場で少し写真を撮ったりし、また途中牛の写真を撮ったりとゆっくり大笹牧場へと向かった。 

 大笹牧場に到着すると、既に多くのライダー達がバイクを停めていた。取りあえずトイレを済ませ、少しお土産コーナーを物色。チーズの試食をつまみ、先程サンドウィッチを食べたばかりなのにジンギスカンを食べるか食べないか?それともソフトクリームを食べるか食べないかで迷う。結局ここでは少しダイエットを考えて私としては珍しく我慢する

県道249号線を走行

 大笹牧場を出て、県道249号線を走行する。土呂部峠への道は舗装されているとは言え路面は石や枝などで荒れていた。スーパーシェルパならではの走破性の高さで余裕で走る。途中、林道支線の入口はゲートでしっかり閉じられ、「行方不明・滑落事故多発」の看板が立っている。(^^;)

 湯西川温泉付近まで来ると平家ゆかりの施設が目につく様になる。それもその筈、湯西川温泉は平家落人伝説の村でもある。せっかくなので湯西川温泉街をバイクを降りて散策してみた。橋のたもとの階段を下りて川沿いを歩く。河岸に立ち並ぶ温泉宿は少しレトロな感じが強く残る。しかしここの温泉、入浴中の人はいなかったが男湯も女湯も外から丸見えの露天風呂ばかりだった。(^^;)

 私自身、湯西川温泉を訪れたのは15年以上振り、それも1回のみでちょっとだけ立ち寄っただったのですっかり記憶に残っていなかった。まるで初めて来た様な新鮮さはあった。

安ヶ森林道走破!

 そして伴久と言う立派な温泉旅館の先の道を左折し、いよいよ安ヶ森林道の入口である安ヶ森峠へと向かう。安ヶ森峠までは一応舗装された道なのだが、木の枝や石がゴロゴロと転がっていて、大きなロードバイクだときっと走りたくなくなるだろうなぁと思った道だった。
 安ヶ森峠を境に舗装路からオフロードへと変わった。(左下写真) まさにここが安ヶ森林道の起点でもある。ここから15.3kmにわたる本格的な林道に入る。フラットなダートが続くと思えば急に雨による深い溝が緊張感を伴わせる走りを強いる。1人で林道を走るのも久し振りだったので運転に専念出来たが、今回はソロツーなので何かあった場合は死を覚悟する事になるかもしれないとも思いながら楽しんで走る。(大袈裟か? 笑)

 さすがにこの林道は緑が美しく、川沿いの道なので美しい川も見ながら走れる。後半では釣り人も多くなってきて車で来た釣り人の姿も多くなった。今回スーパーシェルパで来た最大の理由がこの道を走破する目的であったので、完全に目的を果たす事が出来た。

木賊温泉で入浴

 安ヶ森林道を抜けると今度は木賊温泉を目指した。国道352号線に出たら左折し、「たのせ」と言う所で左折し、木賊温泉方面へと向かった。さすがにこの辺りは林道を抜けても車の通りが少なく快適に走行し続ける。そしてあっと言う間に木賊温泉に到着。この木賊温泉に来たのは2002年6月以来6年振りだ。相変わらずこの辺はまったく変わった様子が無い。

 この木賊温泉は寸志(200円)を支払って入浴するのだが、脱衣所は湯舟の目の前、しかもあちこちから丸見えの温泉だ。ま、荷物を目の前に置けるので荷物の盗難の恐れは無いのだが、女性だったらかなり勇気が要る温泉だ。丁度私がバイクへ戻る時、女性が旦那さんらしき人と温泉に向かって歩いていったが、果たして入ったかは?だ。バイクへと戻ると路上駐車した車の中に女性が待っている姿も見かけたのだ。

「裁ちそば」を食べる

 木賊温泉を後にし、小繁峠を越えいよいよ桧枝岐へと向かった。そしてここら辺でお腹が空いていたのでこの地の名物である「裁ちそば」を初めて食べる事にした。

 私が立ち寄ったお蕎麦屋さんはちょっと立派な大きなお店だった。ここのメニューは勿論おそばのみ。私は「はっとう」(もち米と蕎麦粉を混ぜ、エゴマをまぶしたお餅の様な食べ物)が付いた「そば定食」を注文する。するとしばらくしておそばが先に出てきた。思っていたよりしっかりとしたボリュームのおそばが出てきた。良心的である。おそばは期待通りに美味しく、自家製のしその薬味もおそばとマッチしていてとても良かった。そして次に出てきたのが問題の「はっとう」。勿論私は食べた事も無ければ見た事も聞いた事もない食べ物だ。チャレンジャーの私はやはり是非食べておきたいと思って定食を選んだのだ。そして一口。ん?温かい。見た目は冷たい食べ物と思ったのだが予想に反して温かい食べ物だった。そしてゴマの風味も良く甘くて美味しい。なるほど〜!こうゆう食べ物か・・・。と思った。

 結論としては食べて大正解だった「そば定食」だった。

七入キャンプ場に到着

 そして今回の目的地である「七入キャンプ場」に到着した。昨年お世話になったキャンプ場のおばさんと再会する。私は昨年このキャンプ場に娘(あかり、当時小4)と2人でキャンプツーリングに来て、私は手の甲を毒虫に刺されてしまい大変お世話になってしまったのだ。

 その時のお礼を言おうと思っていたが、まさか私の顔を見て直ぐに思い出してくれるとは夢にも思っていなかったのだが、何と私の顔を見るなりしっかり私の事や娘の事など覚えていてくれたのは正直ビックリした。ここでしばらくおばさんとおしゃべりをし、またまたジュースや漬物などをご馳走になってしまったのだ。(^^) 30分位話をしていただろうか?すっかりお世話になってしまった。

 この日キャンプ場は思っていた以上に空いていた。私以外に家族連れが2組、ソロでキャンプしている人が1人と極端に空いていた。テントを張り出すとほぼテントを張り終えた頃に雨が降り出した。サーっと言う雨の音に、覚悟していたとは言え少しへこむ・・・。

昼寝で爆睡

 雨が降ってきたので仕方なくテントにこもる。すると朝早かったせいもあり睡魔に誘われるまま昼寝をしてしまう。ま、のんびりしようと思っていたので丁度良い。ふと目が覚めると3時間ほど爆睡していたのだが、起きてみると先程降っていた雨はすっかり止み、とても爽やかな青空が見えていた。私は安堵すると共に気分も良くなった。

悲劇の故障により夕食は・・・

 昼寝から目が覚め、取りあえず温泉と買出しに行く。入った温泉は「駒の湯」。この温泉施設の隣にスーパーが在り、温泉入浴後に立ち寄るのに都合が良い。そしてキャンプ場に戻ってからしばらくして、そろそろ暗くならない内に夕食をと思い準備を始める。先程購入したコーヒーやカレーライスを食べようとバーナーを準備しようとすると、ここでとんでもない悲劇に遭遇する。何とガスカートリッジがバーナーと接続出来ないのだ。そんな訳が無いと小一時間ほど格闘するも、まったくもって無理。どうもネジ山が潰れてしまったようだ。今回はソロのキャンプだったので予備のバーナーも持って来なかったため、何と火が使えず料理も出来なくなってしまったのだ。その内空も暗くなり、スーパーで購入したバナナと菓子パンのみで夕食を済ました。そしてコーヒーも飲めなかったので、バイクで10分ほどの自動販売機までわざわざ走り飲み物を購入しに行ったのだ。

キャンプ場の夜は寒かった

 今日は一喜一憂する日だと感じた。キャンプ経験もそこそこ多い私だが、こんな経験は初めてだった。温かいコーヒーも飲めず温かい食事も食べれずすっかり落ち込む・・・。
 予備のガスカートリッジまで持って来たのがとても恨めしい。 おまけにこの日は結構気温が下がり、普段は暑がりの私でも結構寒いと感じシュラフに早々に包まると言う感じだったので、楽しみにしていた熱いコーヒーが飲めなかったのはとても寂しかった。

市販されている虫除け薬の効果は・・・

 する事も無くテントに入り早々にのんびりする。昼寝をしたせいかちっとも眠くない。(爆)持って来たキャンドルランタンの小さい炎を見ながらゆっくりと時間が過ぎていった。
 ところで、今回は強力そうな市販の虫除け薬を持って行き、たっぷりと防虫対策を行っていたつもりだったのだが、残念ながら今回も毒虫に刺され、昨年と同じく足が腫れ上がってしまうと言う残念な結果となってしまった。しかし、今回はその毒虫の正体をしっかりと目撃出来た。「ブヨ」である。家バエより小さい大きさで蚊よりも小さい。しかしその虫の大きさとは裏腹に強力な毒を持っているのだ。

 実は自宅に帰ってからこの「ブヨ」を調べてみると、市販の虫除けは蚊などには有効だが、「ブヨ」に対してはほとんど効果が無いのだと言う事を知る。こうして今回の毒虫との戦いは私の敗北と言う事が確定した。

つづく