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原付二種スクーターで超ロングツー573km

極寒タンデム限界日帰りツーリング

2009.3.1走行

乗鞍高原

出発時のオドメーター 帰宅時のオドメーター
 出発時に撮った写真が左、帰宅時に撮った写真が右、つまり1日の走行距離はなんと573kmでした。

予報は曇りのち雨

 最初に一言。このツーリングはさすがにあまりにも無謀でした。(爆) 常識のある人は決して真似をしないで下さい。(--;) あっ!すみません。普通常識人なら行かないですよね?(反省)

 高速道路に乗れない原付二種スクーターで、超長距離のタンデムツーリングは往きはヨイヨイ帰りは地獄、正直かなり辛いものがありました。(^^;)

 一緒に行った小学5年生の娘(ひかり)は雪と温泉で満足し、さすがに疲れたものの翌日にはしっかり起きて元気良く学校に行きました。でも、ひかりにはさすがに無茶をさせたと反省してます。ちなみにこの原付二種ツーリング、雪を見ながら温泉に入る事を目的としたツーリングでした。

 それではツーレポです。m(_ _)m

雪遊びがしたい娘と雪景色を見ながら温泉に入りたかった私

 このツーリング、当初本当は私1人だけで行く予定でした。しかし前日の土曜日、暇を持て余していたひかりが 「お父さん、明日はどこかツーリング行くの?」と予想通り聞いてきた。

 「うん、行ってくるよ。」(私)

 「え~!私も行きたい!一緒に連れてって~!」(ひかり)

 「でもね。明日はスクーター (リード100)で行くんだよ。」(私)

 「どこ行くの?」(ひかり)

 「山」(私)

 「雪ある?」(ひかり)

 「実はね。雪が有る所に行こうと思っているけど寒いし凄く遠いし、おまけに夕方から雨の予報だし、走りっぱなしで大変だし今回は面白くないと思うよ。」(私)

 「えっ~、でも暇だし一緒に行きたい!雪も見たいし・・・」(ひかり)

 てな感じで結局またひかりが一緒に行く事となった。あかりはサッカー、大貴は花粉症でツーリングは控えている状態で、ひかりだけが最近私と一緒に連続してツーリングに行っている。

大垂水峠は休日125cc以下通行禁止!?

朝の丸子橋

 そして日曜日の朝6:15に自宅を出発する。

 当初予定していた時間よりかなり遅い時間の出発となってしまった。遠距離ゆえ早めの出発が絶対条件だったのにだ。

 この日の朝はかなり冷え込んでいたがリード100には風防が装着されており、比較的低速で走行する原付二種スクーターだからいつもよりはそんなに苦にはならない。

 スピードを控えめにシュルシュルと国道20号線を走行し、日野バイパスで八王子を目指す。

 予想通り日野バイパスでは国立府中IC付近の対向車線でネズミ捕りが行われていた。そんな光景を横目にこちらはスイスイ走る。

 日野バイパスの終点付近ではガソリンスタンドに立ち寄り給油する。ここから先はガソリンスタンドも少なくなるので、大型店舗で安そうなこの付近のガソリンスタンドで早めの給油を心掛けた。

 しかし、私は知らなかった。当初何時も通りに走ろうと思っていた大垂水峠は、休日125cc以下は通行禁止だと言う理不尽な規則がある事を!そこで言いたい!大月方面に行くのにいったいどこを走れば良いのですか?!(怒)

 ま、それでも何とか無事上野原付近へ出る事ができ、コンビニでトイレ休憩をとる。

厳しい寒さ対策

上野原付近

 ここまでの道は都心からずっと1℃~3℃程しかなく、さすがにひかりは寒かったらしく震えていた。そんなひかりがかわいそうに思える。

 そこでこのコンビニで売っていた小さい貼るカイロを見つけて購入し、靴下のつま先部分と手袋の内側にそれぞれ貼ってあげた。

 実はこれがとっても良かったらしく、この後の走行中は気温が低くても手足が寒くならず快適だったそうだ。

 ちなみにお腹部分には自宅から持って来たZIPPOのホットウォーマーで対策済みだった。今年は使い捨てカイロよりこちらの方が活躍している。

 コンビニ前の駐車場で温かい缶スープを飲みながらパンを食べた。やはりこう言う時は「ミニストップ」の様に店内で食べられるスペース(イートインコーナー)が有れば嬉しいのだが・・・。外で食べるのはとても寒くて辛い。

国道20号線双葉付近

 ちなみに、この後のツーリングルートはひたすら国道20号線を走行する。

 天気は薄暗い曇り空で、頭上にはどんよりした雲に覆われた見るからに暗い寒空が広がっている。

 雨こそ降られはしなかったが、私もこの気温の低さでの長時間ツーリングは徐々に辛くなってくる。

 ひかりはおしゃべりをしていると眠くならなくて済むらしく、眠くならない為にも元気に走行中ずーっと色々な話をしてくれる。

 普段からおしゃべりが大好きなひかりは普段から色々話をしてくれるのだが、それでもまだ話題が尽きないらしい。(^^) そそ、言い忘れたが今回もKTEL+インカムで走行中の会話はとても楽に出来る様にしている。やはり親子タンデムツーリングにはインカムは必需品だ。

国道20号線武川付近

 国道20号線を走り続けると、武川付近でやっと青空が顔を見せ始める。

 そのうち路面に私達とスクーターの影ができだすと、ひかりが
「あっ!影が見えてきたよ!」と喜んだ。

 雨に降られる事を覚悟して、雨具だけでなく気持ちまでも準備万端だったのだが、予想に反した思わぬ展開となってきた。

 気温は相変わらず低めだったが、それでも陽が差すとさすがに暖かく感じられ、次第に気分がもっと明るくなっていった。

 

晴天に恵まれる

上諏訪駅前

 この写真は上諏訪駅前の信号待ちの時に撮った写真。
(11:13頃)

 青空が広がり、もう雨の心配は完全に無くなったので気分も晴れ晴れ。

 そろそろお腹が空いてきたので何か食べようとひかりと2人がかりでファミレスを探しながら走行する。

 しかし、なかなかファミレスが見つからないので諏訪湖畔に出るが、結局見当たらず下諏訪方面へ走行しやっと見つけて入ったのはすかいらーく系のガストだった。

 ふと時計を見て、考えてみると自宅を出発して約5時間、ほとんど走りっぱなしだった。

下諏訪付近のガストにて

 やっとこのオアシスにも思えるファミレスで落ち着いてゆっくり休憩することになる。ひかりは大好きなパスタのコースメニューを選び、私はチーズ入りハンバーグを選んだ。

 私が食べたチーズ入りハンバーグは本当に凄い量のとろけるチーズがハンバーグの中に入っていて、ひかりが驚いて見ていた。 そして興味深げに「ねぇ。それって本当に美味しいの?チーズとハンバーグって合うの?」と聞いてきた。

 「うん。美味しいよ。」とひかりにも答えたが、このハンバーグ、本当に美味しかったので皆さんにもお勧めします。

もうお昼。さてどうするか?

ガストの駐車場にて 食事をしながらひかりとこれからどうするか?を話し合った。

 既に時間はお昼の12時頃。往きに5時間掛かったのだから帰りも5時間は掛かる。そう、当たり前の事だがこの先先に進めば進むほど帰りの道も遠のくのである。

 本来ならもう自宅へ向かって帰らなければならない時間である。

 ひかりには当初目標としていた場所はまだまだ先で、ここからだと往復3時間はかかり、目的地に到着してもトンボ帰りとなってしまう。それに、帰る事を考えると当初から無謀な目標だったと説明した。

 それにこの諏訪湖畔には温泉も有るし、ここでゆっくりして余裕を持って帰る方がお勧めだよとも言ったのだが、ひかりは雪が有る山にどうしても行きたいとの気持ちが強かった。そこでひかりの元気な姿を見て判断し、当初の目的地へと突き進む事にした。

強行軍、乗鞍高原を目指す!

諏訪大社諏訪大社

 こうなったら行くしかない。食事が済んだらゆっくりせずに直ぐに乗鞍高原へ目指して出発する。 途中、道を間違え諏訪大社の前に出てしまうハプニングは有ったが直ぐに方向を修正し、まずは松本を目指した。

岡谷IC付近

 塩尻峠に突入する前、また岡谷付近で給油する。

 燃費はそこそこ良い原付二種スクーターだが、毎回平均5リッター程度しか給油出来ないリード100ではやはり給油回数も多くなる。

 塩尻峠は流れの良い峠道だ。正直原付二種のエンジンの力ではタンデム走行だと辛くエンジンもかなりうなる。

 ひかりがあとでポロッと言っていたのが、「スクーターって結構音が大きいね?」と言っていた。(^^;) リード100は特に改造してはいない純正そのもの仕様なのだが、上り坂ではかなりな排気音らしい。

国道158号線松本電鉄沿いを走行

 無事急勾配の塩尻峠を越え、国道19号線を北上し松本方面へと走行する。

 ここでは多少の渋滞にも巻き込まれたが、リード100ゆえにすり抜け走行でかわした。

 松本市街に入るとひかりも昨年夏に車でオートキャンプしに奥飛騨へと向かった景色を思い出し、「あっ!ここキャンプ行く時通ったよね?」と聞いてきた。

 「その通り!あっ!ここがいつもスイカ売ってる場所だよ!」とすっかりおなじみの道である。

 松本ICから先の国道158号線はひかりの大好きなスイカ農家が有る。それでひかりはこの通りがスイカ農家の有る道だと言う事を良く覚えているのだ。

ひたすら乗鞍高原を目指して疾走する

国道158号線 国道158号線は毎年数回は必ず通る道で私にとっては走り慣れた道。

 しんしましまより先は車が極端に少なくなり、極めて順調に目的地へと突き進む。

 この辺りだとまだまったく雪が見当たらない。風穴の里を越えるとトンネルが多くなる。

 奈川渡ダム手前のトンネル内の分岐箇所は工事中で、いつも通る右側への道は通行止め。左側への道へと進んだ。

 梓湖へ出ると直ぐに右へ曲がり何時もの道へと合流した。

雪景色の道を進む

県道84号線乗鞍岳へ 国道158号線から乗鞍高原へと向かう道へ入ると景色は急変した。

 道路脇には雪が積もり出し、どんどん期待通りの本格的な雪景色となっていった。そう、こんな景色が見たかったのだ。

 乗鞍高原への道は急な上り坂となり、リード100のエンジン音は最高潮にうなり続ける。

 それはまさにエンジン性能の限界を越えたテストの様。本当にエンジンが壊れるのではないかと心配したほどだ。

 そして坂を登りきると正面には雄大な雪景色の乗鞍岳が見えてきた。苦労してここまで来た甲斐が有ったと感じた。

 

乗鞍高原

 そして14:10、とうとう目的地である乗鞍高原に到着。

 ここまでの長旅、約8時間。
考えてみればかなりの時間走り続けての到着だ。

 それでもこのひかりの表情。
念願の雪景色を目前にヘルメットの中の目はいつもになく爛々と輝いていた。 (笑)

 さぁ!まずは雪遊びだ!と早速ヘルメットを脱ぐと、ひかりは予め雪遊び用に持って来たグローブに取り替えて雪の上へとさっさと登っていった。

 

拡大写真

 ひかりは駐車場の横の除雪していない雪の深い場所へ登って遊びだしていた。

 私はその間温泉へ入る用意をし、荷物を整理したり写真を撮ったりしていた。

 右写真はこのページの最初に掲載している写真の一部を拡大したものだ。

 リード100でここまで来た証拠として、乗鞍高原温泉の看板をバックに記念撮影した。

 ところでここまで8時間・・・と言う事は帰りもまた8時間は掛かる計算だ。現実は厳しい。

 どちらにしてもあまりゆっくりしていられないのも事実。

 本当ならもっと雪で遊ばせたいが、温泉も楽しみにしていたので雪遊びはそこそこで切り上げた。

 

雪遊びと雪景色を見ながらの露天風呂

雪とたわむれる 温泉はこの駐車場の前にある「湯けむり館」。日帰り専用の温泉施設だ。

 この温泉は看板の通り乳白色の天然温泉で泉質も良く、何と言っても乗鞍岳の勇姿を見ながら露天風呂に浸かれると言うのが最大の魅力だ。

 急いで温泉に入り、15時ちょうどに休憩室でと約束しひかりと別れ温泉に入った。青空の下、雪景色を見ながらの露天風呂が気持ち良い。

 先程まで手先が冷たかったせいか最初は温泉の温度が熱いように思えたが、直ぐに慣れてくると気持ち良くなりゆっくりと湯に浸かった。

 少しのぼせた感じになる位ず~っと湯に浸かっていたのが悪かったのか、温泉から出て着替えだそうとすると少し貧血気味となってしまった。どうものぼせてしまったらしい。(実は私、低血圧なんです。)

 う~ん・・・やばい・・・(--;) しばらく座りながら頭を下げ、じ~っとして回復するのを待った。やっと何とか気を取り直し、ふと時計を見ると約束の15時を越えていた。(爆)

湯けむり館湯けむり館入口にて

 ひかりの待つ休憩室に行き、ここでも少しゆっくり休憩して更に体調を整える。ところでここの休憩室はゆったり出来るソファをはじめ、大きな暖炉もありなかなか雰囲気が良い。日帰り温泉の休憩室と言うよりスキー場のペンションの様な印象だ。

地元の牛乳湯けむり館内

あまりにも遠い道のり

番所付近の凍った沼 結局自宅へ向けての出発は
15:30位となってしまった。

 正直、これからだと何時に家に着くのだろう?とさすがにいくばくか不安も過ぎる。

 せめてこれが土曜日であったなら気が楽なのだが明日は月曜日、ひかりは学校、私は仕事でもある。

 しかし、こうなったらジタバタしても仕方が無い。腹をくくってゆっくり帰るしかない。ひかりが思ったよりも元気なのがせめてもの救いだ。

 しかし考えてみれば改めてひかりは凄いと思う。小学5年生の女の子が原付二種のスクーターに8時間もの長い時間乗り続け、疲れも見せずに一緒にツーリングをするとは・・・。しかもこれからまた最低8時間、計16時間のツーリングに耐えなければならない。大きくなったら絶対ライダーになると宣言済みのひかりは大人になったら一体どんなツーリングを楽しむのだろうか?(^^;)

一部が凍った大野川 さて、帰り道でもまだ今回のツーリングの折り返し地点。時折写真を撮りながらリラックスして走行した。

 ちなみに右上の写真は番所大滝付近より少し下ったところにある沼の写真だ。この様に完全に凍っていた。

 そして左の写真は前川の写真。川の水の色が青緑で美しいが、実は白いところは凍っているのである。やはりここは確実に寒いのだ。

 梓湖のところからは往きとは違ったルートとして県道26号線を南下するルートを選択する。

 

県道26号線境峠

 正直、途中雪道となり結局来た道(国道158号線)に戻らなければならない危険性も考えたが、松本⇔塩尻間は往きに渋滞に遭遇したので、夕方では更に混みあうことを想像するとこちらの方が確実に空いていて早いかもしれないと考えたのだ。

 しかし、後で地図を見てみるとこの選択は誤りであった。(^^;) 松本経由と比べ思っていたより確実に遠回りになってしまっていたのだ。

 でもこの時期冬景色の中、バイクでの走行でもスクーターの手軽さが安心感を生み走りは快適だった。

 これが大型バイクならいざと言う時転倒の恐れが付きまとうが、スクーターだと安心感が違う。気を付けなければならないのは同じだが、スクーターの気軽さは安心感に繋がる。

国道19号線奈良井木曽の大橋横を通過 やっとの事で国道19号線に出ると正直一安心した。

 国道19号線は大型トラックが多く行き交い、さすがに交通量はあるが信号が少なく流れが良い。

 しばらく走り続けると昨年もツーリングで訪れた奈良井宿前を通り、奈良井木曽の大橋を横目に見ながら通り過ぎる。

 この木曽の大橋前を通るとさすがに遠くへ来たものだと改めて思った。それにまだまだこれからかなりの距離が有ると言う事を思い知らされたような気もした。

 

まだまだ続く

塩尻峠

 国道19号線が国道20号線へと変わり、また塩尻峠へと差し掛かったのは17:10頃だった。この時間になるとまた底冷えする寒さを感じだす。

 ここは良くネズミ捕りを行っている要注意の道だ。ここでスピード違反で捕まったらせっかくのツーリングが台無しになってしまうので、スピードを抑えて走行する。

 途中、ふと信号待ちに引っかかると、前に停車していた宮崎県ナンバーの大型トラックの荷台に目が留まる。

 

宮崎ナンバーのトラック

 さすが宮崎県のトラックだ。

 アイドリングストップのステッカーが東国晴知事キャラクターのデザインだった。

 しかし、このキャラクターデザイン、何となく似ているようで似ていない気も・・・(笑)

 そして何とか明るいうちに塩尻峠を越え、諏訪へと抜けたところでとうとう辺りは暗くなり、ツーリングは夜間走行へと変わった。

 お腹が空いてくると身体は尚更冷えるもの。身体が冷え切ってしまう前にエネルギーを得て身体を温めなければならない。

茅野市内国道沿いのラーメン店にて そして上諏訪の先、踏切を渡ってしばらく走ったところでラーメン屋さんを見つけ、温かいラーメンを食べる事にした。

 このラーメン屋、最初入った時は私とひかりの2人しかお客さんが入っていなかった。少し不安に思ったが、メニュー等を見る限り雰囲気は美味しそうに思えた。

 旅先で知らないラーメン屋に入ると果たして美味いのか?美味しくないのか?ハッキリ言って賭けである。

 若干不安に思っているとまず女性の店員さんが出勤してきて、その後他のお客さんが続々と入ってきた。

 う~ん、これなら間違いないだろうと感じた。(^^) そして注文したラーメンが目の前に出され、一口食べると美味しかった。やはりラーメン屋さんは客の入りとこだわりメニューの表現で有る程度は予想が出来ると確信する。

 さて、ラーメンを食べると身体が温まり、元気にまた走り出す。

 ここからはとにかく走り続け、コンビニとガソリンスタンド意外は立ち寄らず帰ったのだが、途中甲府では夜景を楽しみながら走行し、笹子トンネルを越えるとスクーターのヘッドライトの暗さを痛感し、大月IC付近では高速道路に無理矢理乗って行ったらどうなるのだろう?と想像し、八王子付近ではさすがに疲れを痛感し、自宅に到着するとやっぱり自宅は最高の場所だと感じたのだった。

 ちなみに自宅への到着時間は23:00頃だった。おしまい。

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