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大津波警報発令!による通行止め

我がツーリング史上にも残る過酷な1日

2010.2.28(日) 走行

あかりと蓬莱橋にて

大雨の降る中の出発

 28日(日)のツーリングは大雨が降る中での出発となった。今回のメンバーは下田さん(BMW R1200RT)と一休さん(HONDA CB1300SB)、そして私はあかり(長女・小6)とタンデム(BMW R1200RT)で参加となり、3台4人のツーリングとなった。 早朝と言ってもまだ夜中とも言える5時前に起き、5:40に自宅を出発。本降りの雨が降り続く中、6:10頃に東名高速道路 海老名SAに到着した。海老名SAに到着すると、丁度下田さんも到着したばかりでバイクを停めようとしているところだった。

 海老名SAの出発予定の6:40まではまだ時間があるので、まずはパンを買って朝食を食べることにした。パンとコーヒーを買ってから休憩所の席を確保し、下田さんと雑談をしながら一休さんの到着を待った。 しばらくして出発予定時間の数分前に一休さんも到着。当初は6:40に海老名SA出発の予定だったが、外では雨が強い降り続いていたので出発を遅らせる事にする。

 結局1時間程ゆっくりしてしまい7:40に出発した。出発時の雨もそこそこ強い降りであったが、当初から雨が降る中での走行を想定していたのでさほど苦には感じない。雨のおかげで道も空いていると感じていた位だ。ただ、この日の雨はやたらとシールド内が曇りやすいのが気になった。(^^;)

日本坂PAにて

 日本坂PAに休憩のため立ち寄りここで軽く食事をした。私とあかりは美味しそうな「静岡おでん」が売られているのを見つけ、2人で食べた。

静岡おでん

 まだ外は相変わらず強い雨が降り続いていたので、これからどうするか皆で相談する。そして相談の結果、まだ雨が止みそうにない午前中に温泉に入り、ゆっくり休憩してお昼頃の天気の回復を待つことに決める。

午前中から温泉入浴でのんびり

 向かった温泉は牧之原ICから約4km程度と比較的近い「子生れ温泉」。(3時間迄 大人500円、子供300円)この温泉施設は比較的新しい施設の様で、施設全体的に清潔感が漂う感じだ。肝心の泉質も源泉のみ加水一切無しと言う良質の温泉が自慢の湯だそうで、湯の色が少し緑がかった感じだった。

子生れ温泉

 私達はゆっくり温泉に浸かり、午前中から露天風呂で雑談しながら天候の回復を待ったのだった。その甲斐もあってか空が少し明るくなってきたので期待通りとなった。 私は一足早く温泉からあがり、あかりの待つ休憩所へ。その後も休憩所でゆっくりしていると、TV放送ではチリで発生した大地震の影響で、大津波警報が発令されたとのニュース番組が放送されていた。そう言えば先ほどから屋外より緊急の町内放送の様なものが流れている。

大せいろカレーうどん

 丁度お昼時だったので私がお蕎麦(大せいろ 680円)、あかりはカレーうどんを食べる事にした。お蕎麦は信州蕎麦だそうだが味はごく普通って感じ。カレーうどんは色は濃かったがそんなに辛くはなく、カレーの味が強くて美味しかったそうだ。(^^)

 食べながらニュース番組を見ていると、今居る静岡県の海岸線沿岸部に避難勧告が発令されたり、あちこちの電車や国道が運行中止や通行止めになったりと大騒ぎになっているのを知った。しかも、もう間もなく東名高速道路も通行止めとなる事まで放送されていた。 ま、まだお昼過ぎだし高速道路は通行止めになったとしても夕方までには解除され、影響は無いだろうとそれほど気にはしていなかった。(^^;)

 仮眠をとったりゆっくりしていると外はすっかり雨が上がり、晴れ間が見える程回復した。 温泉は滞在時間が3時間までなので、10:39に温泉に入ったので13:39には出なければならない。雨も止んだしそろそろツーリングを再開しようと言うことで、レインスーツを畳み出発する事にした。

わくわく手づくり市

 13:20頃温泉施設を出て、この温泉の駐車場に在る「わくわく手づくり市」でしいたけと青島みかん、いよかん等をお土産として購入する。

蓬莱橋(ほうらいばし)へ到着

 そしていよいよツーリングを再開。一休さんの先導で大井川に掛かる「蓬莱橋」を目指して走行する。先ほどの天候とは一転して青空が広がりだし嬉しい。やはりツーリングはこうでなければ!とあかりも一緒に喜んでいた。

蓬莱橋

 気持ちよく走り続け14:15に「蓬莱橋」に到着する。 この蓬莱橋は全長897.4m。幅2.4mで「世界一の木造歩道橋」だそうだ。大人100円、子供10円の通行料(渡橋料)が掛かるが、私達もせっかくなので渡ってみることにした。

蓬莱橋

蓬莱橋から見た大井川

 欄干がとても低いせいかあかりが「ここから落ちそう・・・」と若干不安がる。(^^;) でもその分景色が良く見えて気持ちがよい。全長900m弱の長さはさすがに歩きがいがあり、結構歩いたなぁと思っても「ここが真ん中」と書かれているところを見つける程。のんびり写真を撮りながら、結局完全に渡りきり往復して楽しんだ。

蓬莱橋のど真ん中

 「蓬莱橋」の次は安倍川餅を食べに行くことにした。(15時頃) 安倍川までは国道1号線の藤枝バイパスを利用し向かったのだが結構交通量が多く軽い渋滞にも遭遇する。

安倍川餅を食べに行く

安倍川餅のせきべや

 元祖 安倍川餅のお店と言えば「せきべや」と言うお店だそうでお店の前に到着し駐車した。思っていたよりここまで時間が掛かってしまい、到着したのが15:53だった。

 遅い時間だったので安倍川餅が売り切れてしまっているかもしれないと言う不安は有ったが、その悪い予感は的中していまう。ここでは4人がそれぞれ1人前づつ食べる予定だったのだが、結局安倍川餅2人前を4人で分けて食べることとなった。一休さんは安倍川餅よりからみ餅を食べたかったようだが残念な結果となってしまった。

せきべやの安倍川餅

静岡商売とは・・・

 ところで・・・「静岡商売」と言う言葉をご存じだろうか?実はこの「せきべや」のお店の人もまさにそんな感じの対応であった。 この「静岡商売」とは無愛想で客を客として接客せず、売ってやるぞ的な対応をするこの地独自の接客なのだそうだ。

 この時も一休さんが注文のために声を掛けるも無視され続け、また、売り切れも仕方がないとはこちらも当初から承知の上で来ているにも関わらず、こんな時間に来るから売り切れなんだよと言うような事を繰り返しねちねち言われたのである。 勿論この対応は我々に対してだけでなく、他にも居合わせた人達に対しても同じだったのである。居合わせた人達も顔を見合わせていたほどだ。

 安倍川餅は美味しかったのだが、後から来た客には無いと言われたからみ餅を私達の安倍川餅より先に出したりとか、正直「何だかなぁ・・・?」と言う感じのお店だった。 まぁ、私は最初からこの「静岡商売」の情報を得ていたので敢えて気にしなかったが、知らない観光客からすれば二度とこんな店なんか来ないぞ!と思われても仕方がないような気がする。 あっ、ちなみに私はまた行きますよ。(笑) 今度はからみ餅を食べに1回だけね。(^^;)

東京への長い道のり

 何とか安倍川餅を食べれていよいよ東京方面へと向かう事にする。携帯電話で得た情報では相変わらず東名高速道路は清水IC~富士IC間が津波警報の影響で通行止め状態が続いていた。 それも予想もしていなかった開通の目処が立っていない状況との事。特に根拠は無かったが、3時間程度で通行止めは解除されると思っていた私達には予想外の展開になっていた。

 選択技は2つに1つ。1つは山側の迂回路を通行し富士ICや御殿場方面を目指す案。もう1つ静岡市内にある静岡温泉にて通行止めが解除されるまでゆっくりし、気長に待つ案である。しかし私達は翌日が仕事や学校と言うこともあり、山側の迂回路を通るルートで少しでも早く帰ろうとする案を選択した。この時はまだ、まさかこの後とんでもない試練の連続に遭うとは思っていなかったのだ。

険しい悪路を悪条件で走行!

林道炭焼平山線

林道炭焼平山線

 静岡市街を抜け、県道67号線から県道201号線に入り、林道炭焼平山線へと入った。この道はツーリングマップルでは「完全舗装 抜け道にいい」と書いてあったが、何となく我々は不安を感じながらも向かって行った。 そしてその不安は見事に的中する。この抜け道を走行中、途中迄は眼下に清水市街の景色と海が見え、景色が素晴らしかった場所も有ったのだが、標高がどんどん上がるにつれ、道路の所々に落石による拳(こぶし)大前後の大きな石がゴロゴロと転がりだしたのだった。

林道炭焼平山線

 これも長雨のせいだろうか?避けて通れない場所もありかなりの緊張を伴った。そして更に事態は悪化。今度は苔(コケ)が路面を覆いだしタイヤが所々で滑るのである。挙げ句の果ては濃霧に覆われ前も見えないどころか路面状況も確認できない状態に・・・。いやぁ~これにはさすがに参った。下田さんもタイヤが滑って焦ったとか不安な言葉を無線を通して伝えて来る。

林道炭焼平山線

 それでもこの道は通行止めの影響で車の交通量がそこそこあるので対向車とのすれ違いもあり、通りたくない道の端を苔と落石を気にしながら一生懸命走るしかなかったのだった。 やっと峠を越え下り坂となった時はさすがに少し安堵した。そしてトイレが設置されている休憩できる場所を見つけバイクを停め、休憩をとることにした。しかしこの休憩した場所には基本的に街灯が無く、灯りと言えば自動販売機の灯りだけだった。

大渋滞にハマる

 この時点で皆疲れた表情をしていた。しかし、ここからがまだまだ遠いのである。県道75号線を目指すとまずは県道196号線との交差点から急に渋滞となり、国道52号線まで大渋滞だったのである。普段ならこんな道だったら絶対に渋滞はあり得ないと言う雰囲気の場所なのだが・・・。(ーー;) この渋滞、渋滞と言うよりは交通マヒと言える状態でちっとも前に進まない。そこで我々はさすがにここではバイクの機動力を活かし少しでも前に進む策をとったのだった。

 ところが、少し強引な進み方をしたので再後尾を走る下田さんとは最終的に2km以上離れてしまった。やっとの事で国道52号線を左折し北上するが、1km程走ったところでバイクを停めエンジンを切り、下田さんが追いつくのを待ったのだった。

国道52号線にて

 20分程待つとやっと下田さんが追いついた。(19:20頃)しかし、目の前の道は上下線とも大渋滞の状況で、再びピクリとも動かない渋滞となってしまったのだ。最悪なことにバイクの機動力をも活かすことが出来ない状況だった。

オーバーヒートとバッテリー上がりの恐怖

 ここからがまた悲劇の始まりだった。この渋滞、坂道で上り坂、しかも小雨まで降ってきて最悪だった。RTの油温計は急上昇し、ついには下田さんのRTがオーバーヒートを示す警告灯が点灯しだしてしまったのだ。

 3台共燃料は十分余裕があったのが幸いだったが、オーバーヒートを防ぐためにエンジンを止めたりして対応した。すると今度は下田さんのRTのエンジンがなかなか掛からなくなってしまうというハプニングまで発生した。どうやら疲労のためエンストしてしまい、ガソリンが被ってしまったらしい。下田さんはかなり心配していた。 私のRTは警告ランプは点かなかったものの上り坂のタンデム&渋滞はさすがにきつい。クラッチやバッテリーへの負荷も掛かり悪影響が出ないか心配だった。 せめてもの救いは後ろに乗るあかりがグチもこぼさず元気でいてくれたのが幸いだった。(^^;)

 対向車線の渋滞も相変わらず激しくまったく同じ状況だった。私は何度か対向車線で隣合わせた車の人に声を掛け、お互い今まで来た道の混雑状況の情報交換を行っていた。 もういい加減帰るのを諦めて引き返そうと思ったりもしたのだが、最後に声を掛けた対向車の人があと1km程先の県道190号線へ分岐する交差点を抜けたら甲府方面は空いているから頑張って!と励まされ、何とか無事この渋滞を抜けたのである。 そしてこの渋滞を抜けると、対向車線は相変わらずの大渋滞だったが何とか順調に走り出すことができたのだった。

 渋滞を抜け、やっと見つけたコンビニ(ローソン)に立ち寄るが、何と店内のトイレは入り口付近まで人が並び、店内のお弁当やパンはすべて売り切れ状態と言う凄まじい人だかりだったのである。 コンビニの駐車場に観光バスが数台停まっているこの状況は普通では考えられない光景だ。

中央自動車道 河口湖ICを目指して

 私達はここから河口湖を目指して中央自動車道に乗ることにし、国道469号線→県道75号線→国道139号線と走行した。

道の駅「朝霧高原」

 国道139号線沿いの道の駅「朝霧高原」で休憩をとったのが21:45頃だった。この付近では再び濃い霧に覆われ、気温も一気に下がり2℃程しかなく極端に寒い。まだまだ試練を与えられている様な感じであった。 そして再び国道139号線を走り続けやっと中央自動車道へと入った。さすがに夜遅いせいか道は空いている。渋滞は皆無であった。

 結局八王子ICを過ぎ、石川PAまでは休憩もとらずに頑張って走り抜いた。石川PAで得た交通情報では、東名高速道路の通行止めは解除されたが激しい渋滞が発生した事を知った。やはり中央自動車道で正解だったようだ。でも、下田さんも一休さんも私もまさか帰り道が中央自動車道になるとは夢にも思っていなかった。(^^;)

 石川PAで軽く軽食を食べ、その後高井戸ICで下田さんと別れ、環七で一休さんと別れて帰宅した。本来なら19時から20時迄には帰れると思っていたが、自宅到着は0:15頃となり約3倍の時間が掛かった。 いつもなら次回のツーリングの為にガソリンスタンドに必ず立ち寄り給油するのだが、今回はさすがに疲れていて立ち寄らずに帰ったのだった。

 おわり

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